▲ソウル市瑞草区の大検察庁(最高検察庁に相当)に出勤する沈宇正(シム・ウジョン)検事総長。2日撮影。/聯合ニュース

 尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が3日に行った非常戒厳令宣布の不法性を解明するため検察と警察が捜査を開始した。

 検察が受理した尹大統領や金竜顕(キム・ヨンヒョン)元国防部(省に相当)長官らを告発する事件について、大検察庁(最高検察庁に相当)は5日に沈宇正(シム・ウジョン)検事総長の指示で捜査を警察ではなく検察に直接担当させることにした。大検察庁が同日明らかにした。捜査はソウル中央地検公共捜査1部(部長、イ・チャンギュ検事)が行う。捜査チームは早速同日朝に金竜顕元長官を出国禁止とした。

 野党・改革新党、労働党、緑色党、正義党などは4日に尹大統領、金竜顕元長官、朴安洙(パク・アンス)陸軍参謀総長(元戒厳司令官)らを内乱および職権乱用などの容疑で検察に告発した。内乱容疑は2021年の検察・警察捜査権調整以降、検察の直接捜査対象にはなっていない。職権乱用は検察が捜査できるが、現職の大統領は内乱・外患容疑以外では起訴できない。そのため検察は職権乱用で捜査を開始した上で、関連する犯罪の捜査を通じて内乱容疑についても確認する方針だ。これは検察庁法で認められている。

 沈宇正検事総長は同日記者団の取材を受け「法と原則、法令と手続きに沿って捜査できると考えている」「捜査段階によっては必要な対応を取る」との考えを示した。これは記者団の「内乱と職権乱用についてはいずれも検察が直接捜査する計画か」との質問に答えたもの。

 これに先立ち警察も同日、祖国革新党などが尹大統領らを内乱容疑で告発した事件の捜査を開始した。捜査を担当する国家捜査本部安保捜査団は同日午後に金竜顕元長官に対する緊急の出国禁止を韓国法務部(省に相当)に申請した。国家捜査本部の禹鍾寿(ウ・ジョンス)本部長は国会行政安全委員会に出席した際「意志がなければ(どうやって)事件を担当するのか」と答弁した。これは「捜査に向けた意志はあるのか」との質問に答えたもの。高位公職者犯罪捜査処も尹大統領告発事件を捜査4部(チャ・ジョンヒョン部長)に担当させた。

 一方で野党・共に民主党は尹大統領の内乱容疑に対する常設特別検事の設置に向け「今月10日に常設特別検事捜査要求案を国会本会議で採決する」と発表した。常設特別検事は大統領の拒否権行使対象ではないが、尹大統領が特別検事の任命を拒否すれば実現しない見通しだ。

ユ・フィゴン記者、ク・アモ記者

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