【ソウル聯合ニュース】韓国のウェブトゥーン(縦スクロール漫画)の躍進が世界市場で注目される中、韓国では日本の漫画の人気上昇が目立っている。関連業界の関係者によると今年は韓国で日本漫画の展覧会が相次いで開催されている。

 昨年から今年3月にかけて「進撃の巨人」、5~7月に「カードキャプターさくら」の展覧会がそれぞれ開かれた。

 6~11月は日本のホラー漫画をけん引してきた伊藤潤二氏の世界を味わうことができる体験型展示「ホラーハウス」が、7~9月には「名探偵コナン」の連載30周年を記念した「連載30周年記念 名探偵コナン展」が開催された。

 2000年代を代表する3大日本漫画「ONE PIECE(ワンピース)」「NARUTO-ナルト-」「BLEACH(ブリーチ)」も例外ではない。

 6~11月にテレビアニメ「ONE PIECE」25周年を記念した展覧会が開かれた。9月からはソウルで展覧会「NARUTO THE GALLERY」が開催中だ。来年初めには「BLEACH」の展覧会も開催される予定だ。

 このほか10月からダークファンタジー漫画「ベルセルク」の大規模作品展「大ベルセルク展~三浦建太郎 画業32年の軌跡~」が、先月から「鋼の錬金術師」をテーマにした「鋼の錬金術師展―ソウル」、「呪術廻戦」をテーマにした展覧会もそれぞれ開催中だ。

 今年は日本の漫画家も韓国を多く訪れている。

 伊藤潤二氏は9月にソウル市内で読者100人を対象にライブドローイングショーとファンイベントを行った。「乙嫁語り」「エマ」「シャーリー」などの作品で知られる森薫氏は6月に初来韓し、韓国のファンと交流した。九井諒子氏、遠藤達哉氏、やまもり三香氏、ヤマシタトモコ氏、和山やま氏も来韓し、サイン会を開いた。

 日本の漫画家の来韓が相次いでいるのは、韓国で日本漫画が人気があることを裏付けている。

 伊藤氏のファンイベントのチケットは販売開始からわずか17秒で完売した。和山氏の作品「ファミレス行こ。上」(韓国語版)は韓国の大手書店・教保文庫の3月第5週の総合ベストセラーランキングで2位を記録した。

 韓国で日本の漫画やアニメの人気が急上昇した大きな理由として、オンライン動画配信サービス(OTT)を通じて見やすくなったことが挙げられる。日本のアニメを見た視聴者が原作漫画にも関心を示している。

 日本漫画の人気は特定の世代に限ったことではない。韓国で「SLAM DUNK(スラムダンク)」ブームが再燃した昨年、中年層に加え10~20代の関心が集まったように、連載開始から10年以上が経った漫画でも動画配信サービスを通じて若者が新たなファンとして流入している。最近は「推しの子」「鬼滅の刃」などが芸能人も見るアニメとして注目を浴び、10代を中心に人気が高まったという。

 ある展示企画会社の代表は「漫画展覧会の観客の年齢層を見ると、意外にも若年層が目立ち、20代と30代が最も多い」と説明。日本漫画との接し方が全般的に変化し、米動画配信大手ネットフリックスの影響もあるとの見方を示した。

 一方で、韓国での日本漫画の人気は日本政府の支援政策に支えられたものだという指摘も出ている。

 日本政府は6月に「クールジャパン戦略」を改定し、アニメや漫画、ゲームなど自国のコンテンツの輸出を2033年までに現在の4倍以上の20兆円に引き上げるという目標を掲げた。コンテンツ産業を日本の基幹産業と位置付け、海外需要調査とプロモーション支援、デジタル化推進、若いアーティストなどの海外進出支援を強化することが同戦略の骨子だ。

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