▲共に民主党の李在明代表と金民錫最高委員が9月6日、ソウル市汝矣島の韓国国会で開かれた党最高委員会議で対話しているところ。2024.09.06

 進歩(革新)系最大野党「共に民主党」の金民錫(キム・ミンソク)最高委員が韓国政界で主導してきた「戒厳令」関連の主張は、これまでデマ扱いされていたが、3日に現実になった。

 金最高委員は今年8月に党の会議で、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の「反国家勢力」発言を問題にしつつ「国防相の突然の交代や大統領の唐突な『反国家勢力』発言につながる最近の政権の流れの核心は、局地戦と北風の造成を念頭に置いた戒厳令の準備作戦だというのが根拠ある確信」とし「弾劾の局面に備えた戒厳令ビルドアップの火遊びを放棄してほしい」「戒厳令準備の試みは必ず霧散させたい」と語った。

 9月には記者会見を開いて「大統領の持続的な反国家勢力剔抉(てっけつ。えぐり出すこと)の主張や大統領夫妻が捜査対象から免れようという動機は、大統領らが権力に非正常的に執着する蓋然性を高めている」と発言した。

 金最高委員はたびたび戒厳令疑惑を提起したが、当時は明確な証拠を突き付けることができず、「陰謀論」扱いされていた。根拠に挙げたのは、尹大統領のソウル・冲岩高校の後輩に当たる李祥敏(イ・サンミン)行政安全相が防諜(ぼうちょう)司令部を訪問し、やはり冲岩高校の後輩に当たる呂寅兄(ヨ・インヒョン)防諜司令官および領官(佐官に相当)クラスの将校2人などと食事会を開いた、という程度だった。呂司令官などが先輩・後輩間の秘密の会合を通して戒厳を謀ってきた、というのだ。

 金最高委員は「(保守系与党の)『国民の力』で『根拠がないなら議員を辞めよ』という声が上がったが、大統領が反国家勢力暗躍の具体的根拠を突き付けないのなら、まず大統領が辞めてから私に来い、と言いたい」と主張した。

 金最高委員など民主党議員らは今年9月、戒厳法・国家賠償法改正を盛り込んだ「ソウルの春4法」の発議を通して戒厳宣布の要件を強化すべきだと主張したことがある。金建希(キム・ゴンヒ)夫人の「司法リスク」などで現政権が窮地に追い込まれたら、政権交代を妨げるために戒厳令を発動する危険があり、これを事前に制度的に防ぐべきだという趣旨だ。

 金最高委員は「憲法と戒厳法を見れば、国会の過半数の要求で戒厳令解除が可能だが、但し書き条項では現行犯は除くことになっている」とし「現行犯は(戒厳に)応じないことまで非常に広範囲」と主張した。

キム・テジュン記者

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