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韓国地裁 徴用訴訟で日本企業4社に賠償命令
【ソウル聯合ニュース】日本による植民地時代に徴用され労働を強いられた韓国人被害者が日本企業に損害賠償を求める訴訟で賠償を命じる判決が韓国地裁で続いている。
ソウル中央地裁は29日、韓国人の徴用被害者2人が日本製鉄を相手取って起こした損害賠償訴訟で、1人当たり1億ウォン(約1080万円)を支払うよう命じる原告一部勝訴の判決を言い渡した。原告のうち1人は既に亡くなっており、遺族が代わりに賠償金を受け取ることになる。
同地裁は、別の被害者1人が三菱重工業を相手取って起こした損害賠償訴訟でも1億ウォンの支払いを命じる判決を言い渡した。
被害者を支援する市民団体「民族問題研究所」のキム・ヨンファン対外協力室長は、韓国政府傘下の財団が被告の日本企業に代わって賠償金を支払うことに関し、昨年から今年までの約50件の徴用訴訟の賠償判決については実現していないとして「原告らと相談し、可能なら強制執行しようと考えている」と述べた。
同地裁は同日午後、別の被害者遺族が日本コークス工業(旧三井鉱山)を相手取って起こした損害賠償訴訟でも1億ウォンの支払いを命じる判決を言い渡した。
また別の被害者が不二越を相手取って起こした損害賠償訴訟でも同地裁は8000万ウォンの支払いを命じる判決を下した。
徴用訴訟の焦点は損害賠償請求権の消滅時効の起算点だ。民事上の損害賠償請求権は不法行為を認知した日から3年、不法行為が行われた日から10年が過ぎると消滅するが、請求権を行使できない客観的理由があったと認められれば、障害理由が解消された時点を消滅時効の起算点とする。
この日判決が下された訴訟でも日本企業側は消滅時効を主張してきた。
これについて韓国大法院(最高裁)は昨年12月、徴用被害者の司法による救済が可能になった2018年10月30日の大法院判決が言い渡されるより以前に日本企業の消滅時効が成立したという主張を認めない判断を示した。その後、下級審では徴用被害者の請求権を認める判決が相次いで言い渡されている。