国際総合
ロシア軍がドローン188機で過去最大規模の空襲、ウクライナ軍は76機撃墜・95機を無力化
ロシアがウクライナ全域で、無人機(ドローン)188機を動員した大規模な夜間空襲を敢行した。今回の攻撃は、単一の攻勢としては過去最大規模のドローン攻撃だ。
AP通信、キーウ・インディペンデントなどによると、ウクライナ空軍は26日(現地時間)、「ロシア軍が夜間にウクライナ全域に向けて、イラン製の『シャヘド』などのドローン188機を出撃させた」と発表した。ウクライナの防空網は17の地域で76機のドローンを撃墜、95機は電子戦の手法で無力化、5機はベラルーシに飛んで行った。しかしマンションなどの住宅施設や、国家電力網など主なインフラに被害が生じた。初期段階の調査によると、死傷者はまだ報告されていない。
ウクライナ空軍は声明で「ロシア軍は深夜にオリョール、ブリャンスク、クルスク、プリモルスコ・アハタルスク方面から記録的な数の『シャヘド』型攻撃ドローンや未知のタイプのドローンを発進させた」とした。
ドローン攻撃が集中したテルノーピリ地方では電気関連の施設が攻撃を受け、電気や水の供給が途絶えたことが分かった。同州のブャチェスラフ・ネホダ(Vyacheslav Nehoda)知事は、地域のおよそ70%が停電状態に陥ったとし「長期にわたり電力供給に影響を及ぼすだろう」と明かした。現在、一部の住宅で電気が復旧するなど、復旧作業が行われている。首都のキーウ地方では夜中に空襲警報が7時間以上も続き、ドローンの残骸によって住宅4軒とマンション2棟が被害を受けたことが分かった。
ウクライナ参謀本部によると、ロシアは今年10月、ウクライナに向けて2000機を超える攻撃用ドローンを発進させたが、この数は9月に作られた従来の記録よりもおよそ700機多い。
軍事専門家らによると、ロシア軍は過去1年にわたって戦場の主導権を大きく掌握し、ウクライナ東部ドネツク地方で猛攻を加えてかなりの進展を得ている-とAP通信は伝えた。とりわけ、米国のドナルド・トランプ次期大統領の就任を前に、ウクライナ東部戦線沿いに猛烈な勢いと速度で進撃している。
ウクライナ参謀本部は26日、過去24時間で、およそ1000キロに達する戦線で発生した交戦のうち半数はポクロウシクとクラホベ付近に集中していると明かした。ウクライナは最前線で深刻な兵力不足問題に直面しており、ロシア軍の戦力増強は微々たるものだが、ウクライナ軍の進撃が鈍ったことで意気が上がっている、とメディアは伝えた。
米国ワシントンのシンクタンク「戦争研究所」は25日、ロシアの進撃でドネツクの主要補給路が脅威にさらされているが、ウクライナの防衛線が崩壊する危険はない、と評価した。一方、ロシアの漸進的な領土確保が続いている状況において、ロシアがドネツク地方全体の占領という目標を達成しようと思ったら、さらに8000平方キロ以上の領土を占領しなければならない、とも説明した。
イ・ヘジン記者