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北朝鮮 国連でロシア派兵を否定せず=「ロ朝条約を忠実に維持」
【ニューヨーク聯合ニュース】国連安全保障理事会は27日(現地時間)、ウクライナ情勢に関する会合を開いた。米国代表は北朝鮮代表に対し、ウクライナに侵攻するロシアに兵士を派遣したかどうかについて質問し、困惑した北朝鮮代表は派兵したことを暗に認めた。
米国のウッド国連次席大使は「ロシアの違法なウクライナ侵略戦争を支援するための北朝鮮の派兵により、戦争の性質が根本的に変化した」として、「ウクライナだけでなく、欧州の安全保障への脅威が高まっている」と指摘。北朝鮮の金星(キム・ソン)国連大使に対し、「ロシアに兵力を配置したか」と質問した。
会場にいた韓国外交官によると、ウッド氏の突然の質問に金氏は困惑した様子だったという。金氏は派兵の事実を否定せず、「ロシアと締結した『包括的戦略パートナーシップ条約』は国際法と国連憲章に完全に合致する」として、「条約による義務を忠実に維持する」と述べた。派兵の事実について明言を避けつつ、派兵を事実上認めた北朝鮮の従来の立場を改めて示したものとみられる。
これに対し、ウクライナのキスリツァ国連大使は右側の席に座っていた金氏をにらみつけ、「犯罪政権を支援する犯罪政権を代表している」と非難し、「近いうちにあなたとあなたの指導者は審判を受ける。近いうちにあなたの国の人々は自由になり、民主主義と自由を享受するだろう」と述べた。
韓国の黄浚局(ファン・ジュングク)国連大使は「われわれは不吉な共謀を目撃している」として、「最高水準の軍事技術を保有し、核使用の敷居を下げた安保理常任理事国(ロシア)が、自国民を弾圧する貧困で孤立した(北朝鮮)政権と共謀している」と批判した。そのうえで、「北の指導者は兵士を戦場に送り、ロシアが無謀な戦術に利用できるようにしながら、兵士が受け取る給料を横取りして大量破壊兵器(WMD)の開発に充てている」とし、「このような共謀を放置すれば、国連憲章に基づく国際秩序の根幹が深刻に損なわれる」と強調した。