▲ソウル市瑞草区の裁判所/朝鮮DB

 全国民主労働組合総連盟(民主労総)の53歳の元幹部の男が先日、北朝鮮から指令を受けてスパイ活動を行った罪で一審で懲役15年の実刑判決を受けた。この元幹部が北朝鮮から受けた指令文には「(ハロウィーンの)梨泰院雑踏事故に対する国民的な怒りを政府に向けよ」という趣旨の内容が記載されていたという。

 関係筋が24日に明らかにした。それによると100回以上にわたり北朝鮮から指示を受けて活動した容疑で昨年5月に逮捕・起訴されたこの元幹部に対し、水原地裁刑事14部(裁判長、コ・クォンホン部長判事)は懲役15年の実刑を言い渡した。

 元幹部は2022年11月15日ごろに北朝鮮の文化交流局所属工作員から電子メールで指令文を受け取った。159人が犠牲になった梨泰院惨事から2週間ほど過ぎた頃だった。当時元幹部は民主労総の組織争議局長だった。

 元幹部が北朝鮮から受け取った指令文には「今回の特大型惨事を契機に、社会内部に2014年の『セウォル号』惨事真相解明闘争のような情勢局面を造成することに中心を置き、各界各層の怒りを最大に噴出させるための組織事業を積極的に展開してほしいと思う」という内容が記載されていたという。

 この指令文について裁判長は「北朝鮮工作員が梨泰院惨事遺族の大変な苦痛を考え、共に悲しみ、哀悼の思いから指令を出したとは考えられない」「指令文と報告文の内容はいずれもただ一つの目標である『大韓民国自由民主主義体制の転覆』に帰結し、被告はこのような事情をよく理解していたはずだが、長期にわたりこれに同調した」と指摘した。

 元幹部は11日に一審判決を不服として控訴した。

チェ・ジョンシク記者

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