▲韓国野党・祖国革新党の曺国(チョ・グク)代表や黄雲夏(ファン・ウンハ)院内代表など同党執行部は20日午前、ソウル市鍾路区の光化門広場で「3年は長すぎる特別委員会」と銘打った会見を開き、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領弾劾訴追案の草案を公開した。/ニュース1

 韓国野党・祖国革新党は20日「政権を早期に終息させるゴールデンタイムを逃してはならない」と訴え、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の弾劾訴追案の草案を公開した。同党の曺国(チョ・グク)代表は同日ソウル光化門広場で会見を開き「全ての野党に特別検事法の成立と国会国政調査推進を求める」と述べた。

 祖国革新党は「尹大統領夫人の金建希(キム・ゴンヒ)氏によるドイツ・モーターズ株価操作不起訴への関与」「ブランドバッグ受領問題」「ソウル-楊平高速道路の路線変更」など15項目の弾劾訴追理由について説明した。弾劾は公職者が職務を遂行する際に重大な憲法違反や法律違反があったかどうかが重要な判断基準となる。ところが今回取り上げられた弾劾理由のほとんどは大統領の職務とは無関係、あるいは憲法に規定された大統領の権限行使であり、他の野党からも「弾劾の理由としては説得力がない」との指摘が出ている。

 例えば祖国革新党は「金建希夫人のドイツ・モーターズ株価操作不起訴への関与」を弾劾の第一の理由としている。これは金建希夫人から聴取する意向を示した検事を韓国法務部(省に相当)が交代させ、尹大統領が検事総長だった時に大検察庁(最高検察庁に相当)報道官を務めた李昌洙(イ・チャンス)氏(当時全州地検長)がソウル中央地検長に任命されたことを問題視したものだ。これについてある与党関係者は「違法行為の具体的な立証もなく、大統領による公務員の人事権行使を弾劾理由とするのは話にならない」と指摘した。

 検察が不起訴とした「金建希夫人ブランドバッグ受領事件」は「大統領の職務とは無関係のため弾劾理由になり得ない」との見方もある。祖国革新党は「大統領による拒否権行使乱用」も弾劾理由としているが、拒否権は憲法第53条に大統領の権限(再議要求権)として明記されている。ある野党関係者は「大統領による拒否権行使の乱用は政治的には批判を受けるだろうが、法律に基づく権限行使のためこれを弾劾理由とすれば論理がおかしくなる」と指摘した。祖国革新党はさらに「日本の福島原発汚染水投棄」「税関麻薬捜査外圧疑惑」「大宇造船海洋労使関係国政介入」なども弾劾理由としている。

チュ・ヒヨン記者

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