【東京聯合ニュース】朝鮮半島出身者約1500人が強制労働させられた新潟県の「佐渡島の金山」で24日、追悼式が開かれる。

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会は7月、「佐渡島の金山」の世界文化遺産登録を決めたが、登録を巡る交渉で日本は韓国に対し、労働者の追悼式を毎年開くことを約束した。

 佐渡島の金山は太平洋戦争(1941~45年)が本格化した後、銅などの軍需物資を確保する鉱山として主に利用され、日本の植民地支配を受けていた朝鮮半島から動員された人たちが厳しい環境の中で差別を受けながら働かされた。

 新潟県当局が1988年に発行した「新潟県史」には、「1939年に始まった労務動員計画は、名称こそ『募集』『官斡旋(あっせん)』『徴用』と変化するものの、朝鮮人を強制的に連行した事実においては同質であった」と記されている。

 歴史研究者の竹内康人氏は先ごろ出版した佐渡島の鉱山での朝鮮半島出身者の強制労働に関する資料をまとめた書籍で、同地に動員された朝鮮半島出身者は1500人を超えると説明した。

 竹内氏は「動員された朝鮮人は警察と企業から監視された」とし、「職場を移る自由を奪われ、死を覚悟して生産量を増やすというスローガンの下、命をかけた労働を強要された」と指摘した。

 日本の市民団体が強制労働の経験者に聞き取り調査を実施した結果、「毎日(天皇に忠誠を強要する)皇民化教育を受けた。言うことを聞かなければ殴打などの『気合』を入れられた」などの証言を得た。

 日本政府は当初、同地の金の採掘量が17世紀に多かったことを理由に江戸時代に関連した遺構だけを世界遺産に登録しようとする「小細工」を使った。

 だがユネスコの諮問機関、国際記念物遺跡会議(イコモス)は6月、日本政府に対し、説明や展示にあたっては明治以降を含めた全体の歴史を扱うよう勧告し、強制労働の事実を反映するよう求めた韓国側の意見を取り入れた。

 日本政府は世界遺産への登録のため追悼式の開催を約束し、佐渡市が運営する相川郷土博物館に強制労働に関する展示を設置した。

 ただこの展示には「強制」という表現が使われておらず、歴史的事実を無視しているという批判が出た。

 相川郷土博物館の展示には、朝鮮半島出身の労働者は危険な坑内作業に従事した人の割合が、日本人よりも高かったとする内容などが盛り込まれている。

 朝鮮半島出身者の強制労働については、「募集」「官斡旋」「徴用」が朝鮮半島にも導入され、日本が朝鮮半島に設置した朝鮮総督府が関与したという事実も明示された。

 ただし「強制連行」「強制動員」など「強制」が含まれた用語は使われなかった。 

 このような日本政府の態度に対して、日本国内でも強制性を明記するべきという批判が上がっている。

 日本の市民団体「強制動員真相究明ネットワーク」(神戸市)は日本政府と佐渡市に送った要請書で、動員された多くの朝鮮半島出身者が逃亡または死亡するなど苛酷(かこく)な労働をしたと記述されているが、強制労働は認めていないと指摘。強制性を認め、佐渡島の金山での強制労働を明記しなければならないと強調した。

 また日本政府は佐渡島の金山に動員された朝鮮半島出身者の名簿を公開していない。

 韓国政府は同遺産の登録を巡る日本との交渉で、新潟県立文書館にある「半島労務者名簿」を提供するよう要請したが、日本政府は応じていない。同名簿に記録されている労働者は数百人程度とされる。

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