▲18日午後、台湾・台北の天母スタジアムで、「2024 WBSC(世界野球ソフトボール連盟)プレミア12」オープニングラウンド(1次ラウンド)B組第5戦・韓国対オーストラリアの試合が行われた。写真は5-2でオーストラリアに勝ち、ダッグアウトに向かう韓国代表選手たち。写真=聯合ニュース

 国際大会における韓国の「残酷史」が再び繰り返された。野球の韓国代表チームは18日、台湾・台北の天母スタジアムで行われた「2024 WBSC(世界野球ソフトボール連盟)プレミア12」オープニングラウンド(1次ラウンド)B組第5戦・韓国対オーストラリアの試合で、2ランを含む4打数3安打・4打点を記録した金倒永(キム・ドヨン)の活躍によりオーストラリアに5-2で勝ち、3勝2敗となった。しかし、韓国を破った日本と台湾が17日の試合でそれぞれ勝利し、日本は4勝、台湾は3勝となったため、韓国はスーパーラウンド(ベスト4)進出の道を断たれた。

 今回のプレミア12で韓国の目標はスーパーラウンド進出だった。昨年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)1次ラウンド脱落の雪辱を果たすという覚悟だったが、メジャー国際大会において2大会連続1次ラウンド脱落という痛恨の結果となった。

 2019年のプレミア12第2回大会で準優勝して以降、韓国は野球の国際大会でなかなか実力を発揮できていない。2023年の杭州アジア大会で金メダルを取ったものの、兵役の恩恵がないWBCとプレミア12では毎回、1次ラウンドで脱落している。WBCの場合、2006年の第1回大会ではベスト4入り、2009年の第2回大会では準優勝したが、2013年、2017年、2023年は3大会連続で1次ラウンドだった。第1回大会で優勝、第2回大会で準優勝したプレミア12でも、今大会は1次ラウンドで敗退した。

 韓国は今回のプレミア12で、元兌仁(ウォン・テイン)、文東珠(ムン・ドンジュ)、ソン・ジュヨン、具滋昱(ク・ジャウク)、盧施煥(ノ・シファン)といった主軸選手たちがケガや軍事訓練などを理由に代表チームから外れたが、他国の代表チームもほとんどが1.5-2軍の選手を代表に選んでいるだけに、言い訳にはならない。何よりも残念なのは、第1戦の台湾との試合に負けたことだ。直近3回のWBCでいずれもオランダ、イスラエル、オーストラリアに第1戦で負けて脱落したことを考えると、今大会の第1戦の台湾戦は事実上の決勝戦も同然という試合だった。

 しかし、今回もそうした苦い教訓を生かせなかった。「台湾の打者はアンダースローに弱い」という漠然とした分析で高永表(コ・ヨンピョ)を先発に立たせ、守備力が強みの金揮執(キム・フィジブ)を指名打者(DH)で出場させるという長打のないスターティング・ラインナップで台湾戦に臨み、早々に試合の流れを奪われた。投手交代のタイミングもワンテンポずつ遅れ、バッティングの調子が悪い選手を早めに交代させることもなかった。

 第2戦のキューバ戦からスターティング・ラインナップを大きく変え、投手交代のタイミングを早めにして形勢逆転を図ったが、第3戦の日本との試合では文字通り実力の差で負けた。先発投手の崔丞鎔(チェ・スンヨン)が2イニングも持たず、韓国の打者たちはチャンスが来るたび、日本の投手に三振を奪われた。今回の韓国代表チームで最高の強みとされる投手陣も結局、試合後半に日本の打者に攻略されて崩れた。

 第1戦の台湾戦も、ホームという「地の利」がある台湾に対して韓国代表チームの選手起用には物足りなさがあったが、全体的に見て台湾の方が韓国より優れた実力と試合運びを見せた試合だった。今年の韓国プロ野球(KBO)リーグの平均年俸が約1億5500万ウォン(約1700万円)、台湾プロ野球選手の平均年俸はその半分程度であることを考えると、「韓国プロ野球の全体的な力は停滞し、韓国は淘汰(とうた)されつつある」との指摘もある。

 もちろん、希望が持てそうな点もあった。台湾と日本に敗れたものの、日本プロ野球で今シーズン大活躍したエースのリバン・モイネロを完全に攻略して勝ったキューバ戦と、0-6とリードされた後に9-6と大逆転勝ちしたドミナカ共和国戦は、若い選手中心の今回の韓国代表チームが根性と闘志を見せたと評価されている。

 特に今シーズンのKBOリーグで38本塁打・40盗塁という見事な成績を挙げた金倒永が、生まれて初めて韓国代表として出場した今回のプレミア12でも3本塁打などで大活躍し、今後の韓国代表チームで主軸打者になることが確実になった。捕手難に苦しんでいた韓国にとって、代表に初選出された朴東原(パク・トンウォン)と、遊撃手の朴成韓(パク・ソンハン)が攻守で代表チームの主力になり、役割を果たしたのも良かった。

 先発投手陣はおおむね振るわなかったが、抑えの朴英賢(パク・ヨンヒョン)を中心に、劉泳チャン(ユ・ヨンチャン)、金瑞鉉(キム・ソヒョン)、クァク・ドギュ、金沢延(キム・テギョン)ら若いリリーフ投手陣は今後の国際大会でも活躍が期待できる可能性を見せた。今大会で潜在力が見えた若い選手たちと元兌仁、文東珠、李義理(イ・ウィリ)らKBOリーグのエース級先発投手たち、そして米大リーガーの李政厚(イ・ジョンフ)と金河成(キム・ハソン)、今年ロサンゼルス・ドジャースのワールドシリーズ優勝に貢献したトミー・エドマン、ドジャース傘下で成長中のチャン・ヒョンソクらが合流する2年後のWBCではさらに良い成績が期待できるだろう。

 ただし、2022年から韓国代表を率いている柳仲逸(リュ・ジュンイル)監督体制を継続するかどうかが最大の悩みだ。今年初めのKBO戦力強化委員会で柳仲逸氏の代表監督再任が決まったが、任期は事実上、今回のプレミア12までだ。「柳仲逸監督のやり方は短期戦中心の国際大会に合わない」という指摘もあるが、新たな代表監督を見つけるのは容易でないのも事実だ。

ペ・ジュンヨン記者

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