【ソウル聯合ニュース】韓国で日本の歌手による大規模公演の開催が相次いでいる。個性を備えた歌手がさまざまなジャンルの曲で韓国音楽市場を攻略しているとの見方も出ている。

 今月8~10日にソウル近郊の国際展示場KINTEXでは韓国最大規模のJ―POPフェスティバル「WONDERLIVET2024」が開催され、韓日のアーティスト40組が出演した。日本からはアイドルグループのAKB48、ヒップホップユニットのCreepy Nuts、ロックバンドのsumikaなど幅広いジャンルのアーティストが出演し、好評を得た。

 主催者側は、J―POPはバンド、アイドル、ヒップホップなど多様な市場をひとくくりにできることが特徴だと説明した。これはEDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)、ヒップホップなど特定のジャンルに特化されたフェスティバルが主流を占める韓国で差別化を図ることができる要素にもなる。

 WONDERLIVETの関係者は「J―POPはトレンドを取り入れつつも特定の音楽ジャンルに閉じこもる必要がないため、J―POP自体に対する需要があればフェスティバル開催を続けることができる。韓日両国のアーティストが互いの音楽を共有するショーケースの場として発展することを期待する」と述べた。

 一時はマニアの間で聴かれていたJ―POPはここ2~3年で若者を中心に人気を得ている。

 imaseのヒット曲「NIGHT DANCER」は昨年、J―POPとして初めて韓国最大の音楽配信サイト、メロンのチャート「トップ100」にランクインした。

 メロンが今年上半期(1~6月)の年代別のJ―POP音源利用率を分析した結果、20代が35.5%で最も多く、次いで30代が21%だった。

 「WONDERLIVET2024」の観客も10~20代が全体の85%を占めた。

 このように韓国では流行に敏感な若い観客がJ―POPの人気をけん引している。韓国で日本のアーティストが急速にファン層を拡大することができた理由でもある。

 来韓公演を行ったことがある日本の歌手が会場の規模を拡大して公演を開催するケースもみられる。

 シンガーソングライター、優里は今月11日に約1000席規模のソウル・イエス24ライブホールで初の単独来韓公演を行った。来年5月にはソウル・オリンピック公園KSPO DOME(オリンピック体操競技場)でコンサートを開催する。収容人数が1万人を超えるKSPO DOMEは「K―POPの聖地」と呼ばれる。

 昨年12月にソウル・高麗大化汀体育館で初の単独来韓公演を開催した音楽ユニット、YOASOBIは来月7、8の両日にソウル近郊、仁川のインスパイアアリーナで単独コンサートを開く。

 シンガーソングライターの藤井風は来月14日にソウル・高尺ドームでアジアツアーの韓国公演を行う。昨年公演を開いたソウル・光云大大劇場よりも会場の規模がはるかに大きい。

 K―POP市場がアイドルの曲に偏る傾向にあるため、ジャンルの幅が広いJ―POPが強みをみせる可能性があり、今後、日本のアーティストの韓国市場進出がさらに活発化するとの見通しも出ている。

 韓国音楽コンテンツ協会運営の音楽チャート「サークルチャート」のキム・ジヌ首席研究委員の分析によると、今年上半期のサークルチャートの海外音源上位400曲のうち、日本の曲は34曲で前年同期に比べ9曲増えた。日本のアーティストは同6人増の18人。

 キム氏は「K―POP音楽産業の急成長後、国内の音源市場で現れているジャンルの偏り現象で生じた隙間がJ―POPの進出をさらに容易にしていると判断される」と説明した。

 なぜJ―POPは多様性という側面で強みをみせているのか。専門家は歌手が主導的に曲作りをする創作環境などをその理由に挙げた。

 大衆音楽評論家のキム・ドホン氏は「現在、J―POPで人気を集めている歌手をみると直接作曲するなど創作の主導権を握っている場合が多い」との見方を示した。

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