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石破政権でも韓日外交は順調な流れ 対立要因は残る
【東京聯合ニュース】先月1日に就任した石破茂首相が岸田文雄前首相のように韓日関係を順調に進めているなか、今月に再選出された後も同じ流れを維持している。
アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席するためペルーの首都リマを訪問した韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領と石破首相は16日(現地時間)、現地で個別に会談した。前日にはバイデン米大統領を交えた3カ国首脳会談を行った。
尹大統領と石破首相による会談は先月10日にラオスで東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議に合わせて開催して以来、2回目となる。
石破首相は岸田前首相の外交路線を踏襲する姿勢を示している。就任後、海外首脳ではバイデン大統領に続き、2人目に尹大統領と電話会談を行った。
両首脳はラオスで開いた初会談で尹大統領と岸田前首相が再開した首脳同士が相互に往来する「シャトル外交」を継続することで合意した。当時、尹大統領は「岸田前首相に続き、石破首相ともシャトル外交を含む活発で緊密な意思疎通を通じ、韓日関係の発展を続けていきたい」と述べた。これに対し、石破首相は尹大統領と岸田前首相で大きく改善した両国関係を継承・発展していく考えを示した。
両国首脳によるシャトル外交は2022年3月、尹大統領が日本を訪問し、12年ぶりに再開した。04年に始まったが、11年12月の李明博(イ・ミョンバク)元大統領の日本訪問を最後に中断していた。
尹大統領と石破首相はペルーで行った会談でもシャトル外交を形式にこだわらず継続することで一致した。両首脳は北朝鮮のロシア派兵など国際情勢悪化を踏まえた両国の協力も重視している。尹大統領は「ロシアと北の軍事協力が派兵につながるなど、域内や世界の情勢が急速に動いている」として、「韓日の緊密な連携がいつにも増して重要」との認識を表明。石破首相も両国の協力を引き続き強化することが重要な課題だと強調した。
ただ、両国とも国内の政治状況の影響を受ける可能性がある。石破首相は総選挙で自民党が惨敗し少数与党の状況になったため、外交力を十分に発揮できないとの見方が出ている。支持率も低迷が続いている。時事通信が8~11日に実施した調査結果で石破内閣の支持率は28.7%にとどまった。一方、尹大統領の支持率も韓国ギャラップが12~14日に実施した調査結果で20%にとどまった。
また、両国の間では独島や歴史問題など対立を招きかねない問題が完全に解消されていない。朝鮮半島出身者が強制労働させられた新潟県の「佐渡島の金山」の世界文化遺産登録時に日本が開催を表明した労働者らの追悼式についても両国の隔たりが埋まっていないようだ。
両国関係改善の背景とされる韓米日の協力体制も米国の政権交代で変化を迎えている。バイデン大統領は韓米日、米英豪3カ国の安全保障枠組み「オーカス」、米日豪印4カ国の協力枠組み「クアッド」など多国間協力を重視したが、トランプ次期大統領が来年1月に就任すればどのような変化が生じるか不透明だ。