▲イラスト=UTOIMAGE

 外観が北朝鮮の長射程砲とよく似た自走砲がロシア国内を汽車で運ばれている写真がSNS(交流サイト)上に広がっている。

 米政府系の「ラジオ・フリー・アジア(RFA)」が報じた。それによるとウクライナの軍事専門のX(旧ツイッター)アカウント「Status6」が「北朝鮮の170ミリ自走砲M1978/1989コクサンが汽車で移動する様子を撮影した写真がロシアのチャネルに掲載された」と伝えたという。その説明には「背景にある建物を識別したところ、写真はロシア中部のクラスノヤルスクで撮影されたとみられる」と記載されている。クラスノヤルスクはロシアに派兵された北朝鮮軍が先日交戦に参加したクルスクから約4400キロ離れている。

 ロシアのテレグラムチャネル「ZOV_Voeoda」もこの写真を掲載し「我々(ロシア)には合意を忠実に守る同盟国があり、そのことを非常にありがたく考えている」と伝えた。

 M1978コクサンは口径170ミリの自走砲で、射程距離は40キロ以上に達する。韓米連合軍が黄海北道谷山(コクサン)郡で1978年に発見したためこの名称がつけられた。M1989は北朝鮮がそれまで使っていたM1978コクサンに新たな車体を結合した大口径の長距離射程砲で、2018年には平壌での軍事パレードにも登場している。

 ただしRFAは「ネットに広がるこの写真の真偽は確認できない」としている。米国防総省は北朝鮮自走砲のロシアでの配備についてRFAの取材に「情報問題については言及できないが、国防総省は北朝鮮とロシアの協力拡大を監視してきた」とコメントした。

 RFAは「ロシアが北朝鮮自走砲を購入した可能性は以前も何度か指摘されてきた」とした上で「昨年7月の北朝鮮戦勝節(停戦協定締結日)70周年にロシアのショイグ国防相が訪朝したが、その際に弾薬やM1989の購入について北朝鮮側と協議したことが報じられた」と伝えた。

 韓国の情報機関である国家情報院は「北朝鮮は昨年8月から先月18日まで合計70回以上にわたり、1万3000個以上のコンテナに相当する砲弾、ミサイル、対戦車ロケットなどの兵器をロシアに支援した」との見方を示してきた。ただし北朝鮮によるロシアへの自走砲支援については確認されていない。

チェ・ヘスン記者

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