▲ソウル市城北区の同徳女子大で12日、学生らが大学名の入ったジャンパーを地面に敷いて、大学側の男女共学転換に関する議論に抗議するデモを行っている様子/写真=ニュース1

 同徳女子大が大学発展計画を樹立する際に「男女共学への転換」を話し合ったことが判明するや、同大学総学生会などが大学本館を占拠して元理事長の胸像に汚物を投げ付けるなど、強く反発している。大学側は、正常な授業は不可能だとみてほとんどの講義をオンラインに切り替えている。誠信女子大でも「男子留学生受け入れ」に反対するデモが繰り広げられるなど、女子大の男女共学化を巡って亀裂が広がっている。

 同徳女子大総学生会と各学部学生会、学内のフェミニズムサークル「サイレン」は12日午前、ソウル市城北区の同徳女子大本館前で記者会見を開き、「男女共学転換強硬対応のための総力対応委員会」を発足させると発表した。本館前では、黒い服とマスクを身に着けた学生およそ200人が「共学転換を撤回せよ」というプラカードを持ってデモに参加した。本館前には、学生らが抗議の意で展示した数百着の学科ジャンパーが置かれていた。

 チェ・ヒョナ総学生会長は「同徳女子大は『女性教育を通した教育立国』という創学精神を基に設立された」とし「大学側は、学齢人口の減少という理由で設立理念を否定している」と語った。一同は、大学側に「共学全面撤回」「総長直選制の推進」「外国人男子留学生制度の縮小・廃止の協議」などを要求した。大学側がこれを受け入れるまで本館の建物を占拠し、授業全面拒否などを実施する計画だ。

 今回のデモは、最近行われた「大学発展計画会議」でデザイン学部と公演芸術学部の男女共学転換が話し合われた、という事実が判明したことに触発された。大学側は共学転換について、全構成員の意見集約を経ようと計画していたが、手続きが進められるよりも先にデモが始まったのだ。

 学生らは赤いスプレーで大学の建物内や外壁、床に「共学転換、入試詐欺」などの文言を落書きし、「女だからと甘く見ているのか」などと記した「謹弔花輪」およそ10個を学内に設置した。故・趙容珏(チョ・ヨンガク)元同徳学園理事長の胸像に鶏卵、トッポッキ、小麦粉なども投げ付けた。

 学生らは前日、野球のバットや消火器などで総長室のドアを壊そうとも試みた。これに対し、出動した警察官が制止する過程で「皆さん、先生になって、後に赤ん坊を産んで育児をなさるでしょうに」と、デモとは関係のない発言を行って物議を醸す一幕もあった。

 教育界では、近年ほとんど見かけなくなっていた学生らの過激なデモ方式に驚いている雰囲気だ。デモの激化によって大学の学務がまひしてしまう水準に至ると、大学側は大部分の講義をオンラインに切り替えた。金明愛(キム・ミョンエ)同徳女子大総長は12日に声明文を発表し「対話と討論の場が整えられるべき大学でこのような暴力事態が発生し、悲痛」としつつ「厳重に責任を問う予定」とコメントした。

 学生らは、同徳女子大を含む四年制女子大学は韓国国内に7校しか残っていないだけに、「女性のための教育空間」としてのアイデンティティーを必ず守らなければならない―という立場だ。男子学生の入学時に発生しかねない「安全問題」も共学転換に反対する中心的な理由の一つ。2018年、同大学の大学院に教育を受けに来ていた20代の男性が、女子トイレ前で裸になって卑猥(ひわい)な行為をしている自分の姿をソーシャルメディアに投稿して問題にもなった。

 12日に誠信女子大でも、来年新設される国際学部において外国人男子学生を受け入れることに抗議する学生たちのデモが起きた。誠信女子大総学生会は「女子大の存立理由を害する外国人男子学生受け入れを中止せよ」という声明文を出し、学科ジャンパーを大学本館前に脱ぎ捨てるデモを行った。

ピョ・テジュン記者

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