裁判
偽バイアグラ150万錠製造して160億ウォン荒稼ぎした兄弟に「製造工場没収」命令 /ソウル
偽バイアグラを150万錠製造し、160億ウォン(約18億円)の不当な収益を得た兄弟に懲役刑が宣告された。裁判長は被告らが偽バイアグラ製造に使用した工場の没収も同時に命じた。
ソウル西部地検食品医薬品犯罪調査部(パク・ヒョンチョル部長)が11日に明らかにした。それによるとソウル西部地裁で先月31日、60代のアン某容疑者とその弟による薬事法違反容疑の控訴審裁判が行われた。裁判長は兄のアン某に懲役2年、弟に懲役1年6カ月と執行猶予3年を宣告し、工場の建物と土地を含む不法医薬品製造工場の没収を命じた一審判決を支持した。
検察によると、過去に売買春が行われた建物などが没収された事例はあるが、犯行場所として提供された不動産の没収を命じる判決は異例だという。偽バイアグラ製造工場没収を命じる判決が下されるのは今回が初めてだ。
検察は不法医薬品製造工場の凍結に向け、食品医薬品安全処と共に任意処分をできなくする民事上の仮処分を申請し、今年4月に裁判所はこの申請を受け入れた。検察の関係者は「捜査段階での凍結は簡単ではないが、綿密な法理の検討を経た上で民事上の処分禁止仮処分が下され凍結後に没収した」と説明した。
アン氏兄弟は2020年9月から今年3月まで、全羅南道務安郡の製造工場で160億ウォン相当の偽バイアグラやシアリスなど無許可の医薬品150万錠を製造・販売した容疑で今年6月から裁判が始まった。二人は偽物の勃起不全治療薬を14種類製造していたが、うち8種類はバイアグラやシアリスなどの正規品に偽造し、残り6種は任意で製造したという。14種の全てからバイアグラの原料となるシルデナフィルが検出された。
検察は「被告は大法院(最高裁判所に相当)に上告したので今後も裁判は続くだろう」とした上で「上告審でも製造工場没収判決が宣告されるよう公訴維持に万全を期したい」とコメントした。
ユ・ビョンフン記者