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雨の日に裸足で来店したホームレスに靴下と靴をプレゼントした洋服店主の身に起きた出来事 /韓国・大田市
【NEWSIS】はだしで店にやってきたホームレス男性を追い出さず、お金も受け取らずに靴下や靴を履かせ、送り出した洋服店経営者の行動が話題になっている。
先月22日、インターネット・コミュニティー・サイト「ネイバー・カフェ」の「痛いから社長だ」に「店に入ってきたホームレス…」というタイトルの投稿が掲載された。
投稿者は大田市中区内で洋服店を経営しているAさんだ。
投稿によると、一日中雨が降った先月22日、客がいなかった午後に、白いひげがモジャモジャ生えている男性が店に入ってきたという。
雨で全身びしょぬれになり、服からは水がポタポタ落ちていた。Aさんは一目でその男性がホームレスであることに気づいたそうだ。
男性は何を言っているのか分からない言葉をつぶやきながら、店のあちこちを歩き回っていたが、「冬服はいくらですか」と一言、問いかけたかと思うと、少しして店を出てしまった。
出て行く男性の後ろ姿を見ていたAさんは、男性が雨の日であるのにもかかわらず、はだしで、しかも足がむくんでいるのに気付き、店を飛び出して追いかけた。そして、その男性を見つけ出して、また一緒に店に入った。
Aさんは男性に、売り物の靴下と運動靴を履かせて送り出した。Aさんは後にその状況を振り返って「我慢できなかったから」と説明した。
事実、Aさんの店も商売がうまくいっているとは言えないという。それでもAさんは「たぶん、その状況をそのまま無視していたら、後々まで後悔していただろう。私には十分にしてあげられることだったし、その行動は当然だと思う」と言った。
Aさんは25日、最初に投稿した文を直して、その後の出来事を掲載した。
2回目の投稿によると、25日夜9時ごろ、Aさんから靴下と靴を受け取った男性が再び店を訪れたという。Aさんは「(男性が)モジャモジャだった白いひげを全部そり落とし、散髪していたので、別人だと思った」とつづった。
男性はポケットから自分の証明写真を取り出して見せ、「朝すぐに撮った証明写真です。これで住民登録証(身分証)を再発行してもらってお金を稼ぎ、靴代をお返しします」と言った。
Aさんは男性に「『プレゼントだから大丈夫です』と言った。今回のことを通じて、私の小さな行動が誰かの心に響いたということが分かった。より多くの恵みを分けていきながら、私も一生懸命生きていきたい」と書いた。
これを読んだ人々は「その方(ホームレス男性)に生きる動機を与えた、本当に大きな一筋の光だったのだろう。金銭的なことより、そのように心にゆとりがある方は本当にすてきだし、すばらしい」「このような出来事がニュースになって、(投稿者の洋服店が話題になり)繁盛してほしい」といったコメントを寄せている。
ホン・ジュソク記者