▲写真=UTOIMAGE

 およそ4000年前のものと推定される古代エジプトの墓から、新たに埋葬室が発見されたことが分かった。英紙デイリーメールなどが6日(現地時間)、報じた。

 報道によると、エジプト・カイロから南に322キロ離れたアシュートの「ジェファイ・ハピ1世」の墓の内部で埋葬室が発見された。

 今回の発掘は今年8月から9月にかけて、ベルリン自由大学の考古学者、ヨヘム・カール教授の研究チームによって進められた。墓の埋葬室からは華やかな装飾が施された棺(ひつぎ)が一つ発見されたが、この棺を開けると別の棺が出てきたという。研究チームによると、中にあった棺からは古代エジプトの女司祭の遺骨が見つかったとのことだ。

 研究チームはこの女司祭について、古代エジプトで崇拝されていた指導者ジェファイ・ハピ1世の一人娘イディではないかとみている。

 デイリーメールは「ジェファイ・ハピ1世の墓ということは知られていたが、この場所から娘の遺骨が見つかったというのは前例のないことだ」と説明した。調査の結果、墓は紀元前1880年ごろ作られたことが分かった。

 イディの棺には死後の世界の旅行について描写した文章や絵が描かれており、イディの遺骨は臓器が取り除かれてミイラ化した状態だった。また、棺の中からは短剣や木製の像などが発見された。

 研究チームは、イディが足に先天的な障害を抱えており、40歳前に亡くなったとみられると遺骨の調査結果を明らかにした。

 カール教授は「ジェファイ・ハピ1世は神格化された人物で、古代エジプトの文化を論じる際に彼を抜きにしては語れない」とした上で「イディはエジプト神話の女神『ハトル』の女司祭だった。二つの棺はいずれもエジプト外部から調達した木で作られたとみられる」と説明した。その上で「遺骨と共に発見された遺物は、イディが死後の世界で使えるよう(当時の人々が)遺骨と一緒に入れたのだろう」との見方を示した。

 カール教授は「今回の発見は美学的、科学的にも特別な意味がある」「これを基に古代エジプトでの女性の地位と知識の伝達に関して新しく広範囲な研究ができるだろう」と述べた。さらに「埋葬室で発見された遺物の数々は、保存作業を経てエジプト観光・考古省に引き渡す予定」と説明した。

キム・ガヨン記者

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