▲写真=UTOIMAGE

 【NEWSIS】ロシアに派遣されている北朝鮮軍が、ウクライナ軍との初の交戦で相当数の犠牲者を出したと米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)が5日(現地時間)、米国の関係者とウクライナ高官の話として報じた。

 二人とも正確な交戦の日時には触れなかったものの「北朝鮮軍がロシア側で参戦し、ロシア・クルスク州地域のかなりの部分を占領しているウクライナ軍と初めて衝突した」と発言した。

 特に米国政府の関係者は、北朝鮮軍とウクライナ軍の初の交戦で北朝鮮兵力の「相当数」が死亡したと説明した。

 ウクライナの高官は死傷者数には触れなかったものの、北朝鮮軍がロシアの第810独立親衛海軍歩兵旅団と共に交戦に参加したと話した。

 この高官は「交戦は限定的だった」とした上で「ウクライナ戦線の弱点を探る目的だった可能性がある」との見方を示した。

 また「残りの兵力のほとんどが今後数日のうちに戦闘に投入される可能性がある」として「北朝鮮軍は二つの部隊に分かれた。攻撃部隊と、ウクライナ軍から奪還した(クルスク州)の領土を防衛する支援部隊だ」と分析した。

 今年8月にクルスク州に進撃したウクライナは、この地域の約647平方キロメートルを占領している。

 北朝鮮軍の大部分はまだ本格的な戦闘には投入されていないが、西側諸国やウクライナ側は北朝鮮軍の派兵を巡り「今後戦争が拡大するかどうか、戦争開始以来の最大の岐路」だとして警戒している。

 ウクライナのゼレンスキー大統領は同日、北朝鮮の軍人らと初めて交戦したとして、世界が不安定な新しい時代に突入したと発言した。

 北朝鮮によるロシア派兵を巡ってはさまざまな評価が出ている。

 ウクライナ東部で膨大な人的資源を消耗しながら前進を続けるロシアが差し出した「支援の手」だという評価がある一方で、ロシアが国際社会で孤立していないことをアピールし、西側諸国の結束を弱体化させることを狙っているとの分析も示された。

 派兵を決定した北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記に対して、ロシアのプーチン大統領がどのような約束をしたのかは不明だ。米国の当局者は、まだロシアが北朝鮮に何らかの見返りを提供したという証拠を見つけていないと述べた。しかし、北朝鮮が周辺国に危険をもたらす恐れのある軍事技術を提供する可能性があるという懸念は依然として残っている。

イ・ミョンドン記者

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