【ソウル聯合ニュース】北朝鮮軍のロシア派兵を巡って協力策を議論するためウクライナを訪問した韓国政府代表団が、早ければ4日にも帰国する見通しだ。

 金龍顕(キム・ヨンヒョン)国防部長官は先月30日(米東部時間)、訪問先の米ワシントンで記者団に対し「11月4日ごろに代表団が帰国する」と述べ、代表団の報告を基に方向性を設定し、国際社会と連携して必要な措置を取ると説明した。

 政府はモニタリング団や戦況分析団の派遣が必要と見込んでおり、「必要な措置」とは北朝鮮軍の動向を把握するためにウクライナに参観団などを派遣する方策を指しているとみられる。

 申源湜(シン・ウォンシク)国家安保室長は1日、国会運営委員会の国政監査に出席し、「われわれも現代戦がどのように行われているか(把握するための)参観団と戦力分析団の派遣は必須だと考える」と述べた。

 参観団は北朝鮮軍がウクライナ軍の捕虜になった場合に尋問を行う役割を果たすとの見方も出ている。

 政府は代表団の帰国後の報告内容に基づき、ウクライナに情報機関・国家情報院(国情院)と軍の関係者を派遣して戦況を分析したり、北朝鮮軍を尋問したりする方策を本格的に検討すると予想される。

 国情院も先月29日、国家情報委員会での報告で「ウクライナとの協議が重要だ。その結果によっては(モニタリング団派遣に関する内容が)具体化する可能性がある」と明らかにした。

 政府は金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代にもモニタリング団や戦況分析団を海外の戦場に派遣したことがあり、小規模の軍関係者の派遣は国会の同意なしに可能だと判断している。

 ホン・ジャンウォン国情院第1次長を団長とする政府代表団は先月28~29日(現地時間)、ベルギー・ブリュッセルの北大西洋条約機構(NATO)本部と欧州連合(EU)で北朝鮮軍の派兵について説明した後、ウクライナに移動した。

 代表団がウクライナやロシアと隣接する欧州諸国に対し説明を行い、ウクライナとも直接接触したことから、北朝鮮軍の派兵動向の共有以外にも韓国側が検討している段階別の対応についても議論されたとの見方が出ている。

 ウクライナ側は韓国の防空武器システムなどの供与を望んでおり、これに関する議論が行われる可能性も高い。

 国防部の関係者は「現在具体的に話せることはないが、政府レベルで議論が行われると予想される」と述べた。

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