▲22年3月30日に仁川空港からフランスに向けて出国した金正淑夫人が着ていたものと同じ生地で作られたシャネルのジャケットが展示されている。/News 1

 文在寅(ムン・ジェイン)前大統領の夫人、金正淑(キム・ジョンスク)氏が2018年10月にフランスを訪問した際に着用していた「シャネルのジャケット」を、韓国検察がこのほどフランスのシャネル本社で確保したことが分かった。検察は金正淑夫人が、着用したジャケットをシャネルに返還したというのが事実なのか、返還した時期はいつだったのか、シャネル側が国立ハングル博物館に寄贈したジャケットと金正淑夫人が着用していたジャケットが別の製品なのかなどを検証するという。

 10月30日の本紙の取材を総合すると、金正淑夫人の「タージマハール外遊疑惑」「シャネルのジャケット未返還疑惑」などを捜査しているソウル中央地検刑事2部はフランス・パリのシャネル本社で金正淑夫人が着用していたジャケットの提出を受け、大検察庁(最高検察庁に相当)のデジタルフォレンジック(電子鑑識)センターに検証を依頼した。

 また、検察は先週、金正淑夫人の衣装・儀典を担当していたヤン氏の参考人聴取を実施したという。フランス国籍のヤン氏は、金正淑夫人がひいきにしていたデザイナーの娘で、韓国大統領府の行政要員も務めていた。

 騒動になったジャケットは、シャネルのヘッドデザイナー、カール・ラガーフェルド氏がハングル文字入りの生地を用いて制作したものだ。金正淑夫人がパリでフランス大統領夫人と会った際にシャネルから借用して着ていたという。

 その後、韓国政界などでは金正淑夫人がジャケットを返していないのではないかとの疑惑が取りざたされ、金正淑夫人の衣装やアクセサリーなどの購入資金をめぐる論争に発展した。卓賢民(タク・ヒョンミン)元大統領府儀典秘書官は「衣装を借りて着用し、シャネルに返還したところ(シャネル側から)『ハングルでデザインされていて大きな意味があるため、韓国に寄贈する』と言われ、ジャケットが韓国に寄贈された」と説明していた。

 しかし、シャネル側は「金正淑夫人が着ていたジャケットと博物館に展示されているジャケットは異なるものだ」と明らかにした。「2021年に国立ハングル博物館の要請で別途制作して寄贈したもので、金正淑夫人がパリで着用していたジャケットは返還してもらった」との立場だ。

イ・スルビ記者

ホーム TOP