▲ウクライナ軍が捕獲した北朝鮮製の多連装ロケット砲弾(左の写真)と、北朝鮮製の9M113対戦車ミサイル。/写真提供=国家情報院

 北朝鮮がロシアに提供した数百万発の砲弾は、命中率が低く、きちんとさく裂しないなど、品質に問題があることが分かった。

 米国のシンクタンク「戦争研究所(ISW)」が27日(現地時間)に明らかにしたところによると、ロシア軍は前日から2日間にわたり、ウクライナ北東部のハルキウ州に対する攻勢作戦を展開したが、進展はなかった。この地域のウクライナ軍報道官を務めるエウヘニー・ロマノウ大佐は「ロシアが発射した122ミリ、152ミリ砲弾のうち60%は北朝鮮製」だとし「北朝鮮製の砲弾は品質が良くないので、標的に命中しなかったり、きちんとさく裂しなかったりした」と明かした。

 国家情報院(韓国の情報機関。国情院)は今月18日、北朝鮮が昨年8月から最近までおよそ70回にわたり、合計およそ1万3000個以上のコンテナに相当する大量の殺傷兵器をロシアに支援した、と評価した。ウクライナ国防情報総局(HUR)が戦場から回収した北朝鮮製の武器を確認した結果、北朝鮮がロシアに支援した武器は122ミリ・152ミリ砲弾、対戦車ミサイル(火の鳥4)、KN23短距離弾道ミサイル、対戦車ロケット(RPG)、多連装ロケット砲などであることが把握された。

 国情院は、これまで北朝鮮とロシアを行き来した貨物船に積まれていたコンテナの規模を考慮すると、現在までに北朝鮮の122ミリ・152ミリ砲弾800万発以上がロシアに支援されたものと分析した。今年8月には、北朝鮮のミサイル開発の中核である金正植(キム・ジョンシク)軍需工業部第1副部長が北朝鮮軍将校数十人と共にウクライナ戦線近くのKN23弾道ミサイル発射場を訪れた。ウクライナ政府は、ロシア軍が発射したKN23ミサイルが首都キーウなどに着弾し、民間人に多数の死傷者が発生したと発表したことがある。

 しかし、北朝鮮の武器の品質についての指摘はいまだに続いている。10月初めにウクライナの当局者は、ロシアに供給した砲弾など武器の品質を管理するため北朝鮮がウクライナの戦場に軍関係者を派遣した、と主張した。ウクライナ国家安保・国防委員会の傘下にある虚偽情報対応センター(CCD)のアンドリー・コバレンコ所長は今月初めに「ドネツク地方の北朝鮮軍の駐屯は、主に少数の工兵隊員と関連があり、これは北朝鮮から供給される弾薬の品質が良くないから」とコメントしていた。

 ウクライナの情報当局では、北朝鮮がロシアに支援した多数の北朝鮮製兵器について、不良率が高くて精度も低いと分析した。これらの兵器は、精密打撃用というより戦線維持を目的とした物量攻勢に用いられる、と伝えられている。

 北朝鮮製の砲弾を扱っていたロシア軍の砲兵が負傷したり、弾道ミサイルの半数が目標地点に到達できなかったりするといった、兵器の品質を指摘する外信の報道も相次いだ。昨年末にはロシア軍が運用中の戦車が「自爆」する事故が発生したが、これは質の悪い北朝鮮製の弾薬が砲身内部で爆発したものと推定された。北朝鮮がロシアに供給した弾薬(曲射砲)の中から無作為に選んだ5発を点検した結果、砲弾の推進体の含量がばらばらで、装薬の材質が違っていたり内部にあるべき銅線がなかったりした-という報道もあった

イ・ヘジン記者

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