▲北朝鮮が「平壌で墜落した無人機の残骸を分析し、確認した飛行経路」だとして提示したグラフィック。/写真=労働新聞・ニュース1

 北朝鮮は28日、いわゆる「平壌侵犯無人機」事件の黒幕は韓国だという独自調査結果を発表し「再発時には挑発原点は永遠に消えることになるだろう」と主張した。だが、北朝鮮側の主張には矛盾やミスが多い。韓国国防部(省に相当)は「返答する価値もない」とした。

 北朝鮮は今月19日、「平壌市の兄弟山区域で韓国軍が運用しているドローンと同じ機種の無人機の残骸を発見した」と主張し、調査を展開したという。北朝鮮の国防省報道官は28日、「最終調査の結果、無人機は10月8日23時25分30秒にペンニョン島を離陸し、共和国の領空に侵入した」「10月9日に外務省・国防省庁舎の上空などで政治扇動汚物(対北ビラ)を散布した」と述べた。

 この無人機の飛行操縦プログラムには、2023年6月5日-今年10月8日までの間に作成された238の飛行計画と飛行履歴が記録されており、このうち10月8日の資料を除く残りの飛行履歴は「全て韓国の領域内で飛行した資料」だとも主張した。北朝鮮は、この無人機の飛行計画のルートを収めた地図をグラフィック形式にして公開した。

 北朝鮮軍の発表について、韓国の保守系与党「国民の力」に所属する庾竜源(ユ・ヨンウォン)議員のオフィスは「韓国軍の偵察用無人機は、搭載重量が数百グラム(小型カメラの搭載重量)に過ぎない」とし「ビラの容器などを積んで(平壌まで)430キロの往復飛行をすることもできず、翼や胴体にビラの容器を吊り下げたら飛行安定性が低下して平壌往復飛行は不可能に近い」とコメントした。また、北朝鮮が当初、無人機侵入の事実に言及しつつ10月3日・9日・10日を特定しておきながら、今回は「10月8日より前は韓国でだけ飛んでいたドローン」と発表したことも矛盾だ、と指摘した。

 韓国国防部は28日、北朝鮮の主張について「一方的な主張に過ぎない」「確認してやることはあり得ず、返答する価値もない」とした。韓国国防部のこうした反応の後、北朝鮮の金与正(キム・ヨジョン)労働党副部長は談話を発表し「ソウル上空で正体不明の無人機が尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領を非難するビラを散布し、わが軍部や個別の団体が『何も確認してやることはあり得ず、返答する価値もない』と言ったらソウルの野良犬の群れがどのようにほえるのか、ぜひ一度見てみたい」と非難した。

キム・ミンソ記者

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