【ソウル聯合ニュース】ウクライナに侵攻するロシアを支援するため派遣された北朝鮮兵が激戦地のロシア西部クルスク州に集結しているとされるなか、韓国政府が北大西洋条約機構(NATO)や米国と対応に関する協議を加速させている。

 北朝鮮兵の戦線地域への展開が迫っていることを受け、韓国政府の代表団は28日、ベルギー・ブリュッセルにあるNATO本部で開かれる最高意思決定機関、北大西洋理事会(NAC)に出席し、北朝鮮の派兵に関する動向を共有する予定だ。代表団は情報機関・国家情報院のホン・ジャンウォン第1次長が団長を務め、軍合同参謀本部のパク・ジニョン情報部長ら情報・軍・外交当局の高官で構成される。

 NATO側とウクライナへのモニタリング団派遣やウクライナ軍支援問題なども協議する可能性がある。韓国政府は派兵された北朝鮮軍の戦力を分析するため、ウクライナへのモニタリング団派遣を検討している。

 モニタリング団には国家情報院や軍当局の要員が参加するとみられ、捕虜になったか脱走した北朝鮮兵を調べる役割も担うとみられる。対北朝鮮心理戦分野の要員も参加し、北朝鮮兵の脱走を誘導する作戦を遂行・助言する可能性もある。

 韓国政府は北朝鮮の派兵動向を見極めながら段階的にウクライナを支援する方針だ。大統領室高官は22日、今後の状況に応じてウクライナに「防衛用兵器」の提供を検討し、最終的には「攻撃用兵器」を提供する可能性もあると明らかにした。

 これまではウクライナに人道支援として軍需物資を提供し、米国に155ミリ砲弾を輸出する方法で米国のウクライナ支援を間接的に援助していた。ただ、ロシアとの関係を考慮し、攻撃用兵器よりは工兵装備や防空システム、地雷散布装置など防衛用兵器の支援が優先的に検討されるとみられる。

 一方、韓国政府は30日に米ワシントンで開催される韓米定例安保協議(SCM)で北朝鮮の派兵への対応を議論する。SCMには韓国の金龍顕(キム・ヨンヒョン)国防部長官やオースティン米国防長官が出席する。

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