▲イラスト=UTOIMAGE

 ウクライナ、韓国、米国など各国の情報機関が「ロシアに北朝鮮軍兵士が送り込まれた」とすでに発表したが、その後SNS(交流サイト)には真偽不明の北朝鮮軍関連の投稿が相次いでいるという。米政府系ラジオ「自由アジア放送(RFA)」が25日に報じた。

 報道によると、北朝鮮関連のニュースを伝えるあるテレグラムチャネルに先日「(ロシアに送られた)北朝鮮軍兵士が訓練で使用する装備」という説明と共に2枚の写真が掲載された。写真にはロシア国旗と北朝鮮の人民共和国旗が半分ずつ描かれたバッジ付きの軍服に「金日成(キム・イルソン)」と書かれた名札や小銃も写っていた。

 このチャネルには「彼ら(北朝鮮軍兵士)にはロシア製AK12小銃が支給されたようだ。弾倉には口径5.45ミリの実弾も見える」との説明がついていた。しかし専門家はこれらについて「本物の北朝鮮軍兵士の装備ではなく、趣味などに使うレプリカ(複製品)のようだ」と指摘する。

 韓国の市民団体「自主国防ネットワーク」のイ・イルウ事務局長は「(北朝鮮で)金日成という言葉をあんな形で使えば首が飛ぶ」「防弾チョッキも防弾服が入らない複製品のようで、下に見える小銃のハンドガードもロシア軍が使うAK12やAK074のものとは異なり、個人で作り販売されたものだ」と説明した。

 今月21日にはX(旧ツイッター)やTikTokなどに「一人の北朝鮮軍兵士が補給品のロシア製軍服や武器などを紹介した」とする動画が広がっている。その内容をみると、アジア系とみられる一人の男性がシベリアで使用されるヤクート語で軍服や軍靴などの補給品を一つずつ説明していた。しかしこの動画も真偽は明らかになっていない。

 別の親ウクライナ系テレグラムチャネルには「逮捕された北朝鮮軍兵士」として1人の東洋人捕虜の動画が公開されているが、この男性は実際にウクライナ語を使っていた。また部隊や国旗、名札などいかなる情報も確認されていない。

 米シンクタンク「ヘリテージ財団」のブルース・クリングナー上級研究員はRFAの取材に「北朝鮮軍派兵関連のSNS投稿については真実かどうか疑わしいが、重要なことは韓国と米国が複数の情報に基づき北朝鮮軍の存在を直接確認したことだ」とコメントした。

キム・ミョンジン記者

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