【ソウル聯合ニュース】日本政府が朝鮮半島出身者の強制労働に関する問題に触れないまま、「足尾銅山」と「黒部ダム」の世界遺産登録推進を検討していることが24日、分かった。国会文化体育観光委員会に所属する最大野党「共に民主党」の朴洙賢(パク・スヒョン)議員が国家遺産庁から提出を受けた資料に基づき指摘した。

 

 韓日は今年世界文化遺産への登録が決まった新潟県の「佐渡島の金山」について、同遺産で行われていた強制労働を巡り長きにわたり交渉を続けていた。

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)に推薦する世界遺産の候補地は、まず国内候補の「暫定一覧表」に記載する必要があるが、足尾銅山と黒部ダムは、暫定一覧表への記載を検討する「暫定一覧表候補」に挙がっている。

 朴氏によると、暫定一覧表候補で足尾銅山は産業化や公害対策、黒部ダムは防災など肯定的な部分だけが強調されているという。

 朴氏は日本の厚生労働省の資料をもとに、日本による植民地時代に足尾銅山で強制労働させられた朝鮮半島出身者は2164人で、このうち40人が死亡し、また黒部ダムの建設にも1000人以上が動員されたと伝えた。

 朴氏は、佐渡島の金山の世界遺産登録を巡り、韓国国民から怒りの声が上がったばかりだが、日本が強制労働に触れることなく、新たな世界遺産登録を推進しているにもかかわらず、政府が対応していないとし、政府を挙げた専門の担当部署の新設などを検討しなければならないと指摘した。

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