▲イラスト=UTOIMAGE

 軍服を着た男性が、韓国軍の生活施設とみられる場所でライブ配信を行う姿が掲示板サイトなどにアップされた。これを巡り、韓国ネットでは「軍隊内で日課(勤務)終了後の携帯電話使用が認められたとはいえ、ライブ配信はやりすぎだ」との指摘が出ている。

 インターネットの各種コミュニティーサイトには22日「リアルタイム陸軍近況」というタイトルとともに画面のスクリーンショットが投稿された。

 スクリーンショットを見ると、2011年から着用が始まったデジタル迷彩柄の新型軍服を着た男性がTikTokでライブ配信をしている。この男性は視聴者に向かって敬礼のポーズまで見せている。視聴者らはこの配信に対し「館内を回って様子を映してくれ」「ニュースに出てよ」などのコメントを書き込んだ。

 これをめぐり、ネット上では「携帯電話の使用が認められたとはいえ、リアルタイムで配信するのはアウトだろう」との反応が見られた。「軍隊の様子は保安事項なのに、それを全世界に生中継するとは」「ああいうヤツらのせいで真面目にやっている人たちが悪く言われるんだから、やめてほしい」「もう怖いものがない除隊(転役)間近の兵長のようだが、保安レベルがヤバい」などのコメントが相次いだ。

 一方、この男性が本物の軍人ではなく、軍人になりすまして配信していたのではないかとの意見も飛び出した。一部では「部屋のインテリアを軍の生活施設に見えるようにしていたのではないか」「でっち上げのようだ」などのコメントも見られた。中には「米軍は訓練の時にインスタグラムやTikTokに投稿しているのに、韓国だけ厳しすぎる。自分はKATUSA(在韓米軍に配属された韓国軍兵士)出身なので、あれがなぜ問題になるのか理解できない」というコメントもあった。

 韓国軍の関係者は23日、チョソン・ドットコムの取材に対し「問題になった動画の内容が限定的であるため、男性のいる場所が軍部隊なのかどうか確実には言えない。演出のためのセットかもしれないし、確認するのが困難だ」と話した。

 韓国国防部(省に相当)は2020年7月、兵士らが平日の勤務終了後および休日に携帯電話を所持・使用することを可能にする「兵の携帯電話使用政策」を正式に施行した。

これに伴い一般の兵士は携帯電話を平日の午後6-9時、週末は午前8時30分-午後9時の間に使うことができる。

 現行の国防保安業務訓令は、営内(軍部隊の中)に携帯電話を持ち込む兵士・幹部・民間人に対して「携帯電話保安統制体系」を適用するよう定めている。軍はこれを根拠に、衛兵所を通る全ての人のスマートフォンに国防モバイル保安アプリを設置させ、部隊内でのカメラ機能の使用を不可能にしている。

 これは、軍事施設の撮影・描写・録音などを禁じる「軍事基地および軍事施設保護法」と「軍事機密保護法」に伴う国防部の措置だ。そのため部隊内部でこのように携帯電話を使ってライブ配信を実施した場合、保安規定違反になるという。

 国防部によると、23年7-12月に摘発された兵士による携帯電話使用規則違反の件数は617件で、主な違反例は▲部隊内を撮影してSNSに投稿(48件)▲保安アプリの任意解除(87件)▲違法賭博(35件)▲わいせつ写真撮影およびSNSへの投稿などデジタル性暴力(3件)-などだった。

チョン・アイム記者

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