▲イラスト=UTOIMAGE

 オーストラリアの山中で、落としたスマートフォンを拾おうとした女性が岩の隙間に転落し、逆さまの状態で7時間身動きできなくなるという事故があった。米CNNなどが22日(現地時間)、報じた。

 報道によると、オーストラリア・ニューサウスウェールズ州ハンター・バレーの町、ラグナで友人らと共に散策していた23歳の女性が、写真を撮影中にスマートフォンを落とした。スマートフォンは岩の間の深さ3メートルの隙間に落下した。女性はこれを拾おうとしたところ、滑って岩の隙間に転落し、挟まったまま抜け出せなくなってしまった。最悪なことに事故現場は携帯電話の電波が届かない地域だったため、友人たちは(電波の届くところまで移動して)緊急連絡番号(000)で救助を要請した。女性は救助隊が到着するまで1時間以上、その状態で耐えていた。

 地域のボランティア救助団体や警察、消防当局が全て動員されたが、救助作業は難航した。事故現場までは雑草が生い茂る草むらを進まねばならず、車が接近できなかった。女性を救出するためには重さ80-500キロの岩7個を移動させるほかなかった。万が一岩が割れれば破片が女性を直撃するリスクもあった。

 救助隊員らは岩の間に木の枠を設置して安全な空間を作り、ウィンチ(ワイヤーを利用して重いものを動かす機械装置)を使って岩を移動させたが、この作業だけで数時間を要した。ようやく女性の足に手が届くようになったものの、岩の隙間がS字状になっていたため、体を完全に引っ張り上げるのに1時間以上かかった。

 女性は転落してから約7時間後に救助され、病院に搬送されたがかすり傷だけで済んだという。救助隊員の1人は「女性は本当に強靭な人だった。私はあんな状況に陥ったら気を失ってしまうかもしれない。しかし私たちが現場に到着したとき、彼女は落ち着いており、私たちが要請したことは全てやろうと努力した」と話した。

イ・ヘジン記者

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