社説
与党を無視して弾劾をちらつかせる共に民主・李在明代表「相手を無視して除去するのは政治ではなくけんか」【10月23日付社説】
韓国野党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表は23日、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と与党・国民の力の韓東勲(ハン・ドンフン)代表の会談について「政治が路地裏のけんかになったと聞いた」と発言した。李代表は「相手を除去、あるいは相手の存在を無視すれば、これは政治ではなくけんかになる」と指摘した上で、自らの政治復帰への道を見いだしたい考えも示した。与党内部の分裂を指摘したかったようだが、李代表にこれを言える資格があるだろうか。
李代表は170議席の巨大野党を率い立法権力を握っている。共に民主党は尹大統領就任直後から弾劾や政権退陣を公然と主張してきた。大統領就任直後から弾劾を主張するに足る重大な法律違反でもあったのだろうか。むしろ無条件弾劾をちらつかせること以上に相手を除去し無視する行為はない。今は李代表自ら「選挙が待てないほどになれば途中でも引きずり下ろすことが民主主義だ」とまで語っている。具体的な法律違反の事実を提示することもなく、無条件大統領弾劾と除去を口癖のように語る政党などどこにもない。
実際に李代表こそが「相手を除去あるいは存在を無視する行為」を日常茶飯事のように行っている。共に民主党は韓国行政安全部(省に相当)の李祥敏(イ・サンミン)長官を弾劾訴追したかと思えば、突然古い事件を持ち出して検事まで弾劾訴追した。検事の弾劾は李代表を捜査する検察に圧力を加えることが目的だ。これは当然憲法裁判所で棄却された。放送通信委員長を弾劾案で辞任させ、その放送通信委員長の後任は任命と同時に弾劾訴追した。これでは相手を無視し除去するどころか抹殺と言うべきだろう。共に民主党は現職の検事4人に対しても弾劾を進めており、最近は検事総長やソウル中央地検長に対する弾劾まで予告している。
李代表は「権力を行使するときは本当に慎重かつ繊細にならねばならない」として権力の自制を求めてきた。国民から委任された立法権限を自分個人の不正を隠すために乱用しておきながら、公職者を立て続けに弾劾する人間が口にする言葉ではない。共に民主党は国会での立法でも相手側の国民の力を完全に無視している。
来月には李代表の選挙法違反事件と偽証教唆に対する一審判決が下されるため、国会では連日討論会に名を借りた防弾イベントが開催されている。国会法制司法委員会も李代表の無罪を勝ち取るため裁判所と検察を脅迫・懐柔する私設のローファーム(法律事務所)に転落したため、李代表はまずはこれについて自ら説明すべきだろう。共に民主党は前回の再選挙・補欠選挙で大統領と国民の力の支持率が低いにもかかわらず、釜山と仁川江華で敗れた。与党への批判世論は共に民主党と李代表への支持を意味するものではない。共に民主党と李代表がまずは相手を無視し除去する政治をやめてもらいたい。