▲イラスト=UTOIMAGE

 ウクライナ軍が運用する500ドル(現在のレートで約7万6000円。以下同じ)程度の無人機(ドローン)が、少なくとも4000万-5000万ドル(約61億-76億円)相当のロシアのBuk-M3防空システムを破壊した。

 21日(現地時間)にウクライナのメディアが伝えたところによると、ウクライナ軍当局は「同日早朝に軍の無人航空システム部隊が敵の対空防衛システムを識別し、破壊する任務の一環として、他部隊に協力してロシアの対空ミサイル・システムを攻撃した」と発表した。

 ウクライナ国防省は同日、X(旧ツイッター)に「500ドル相当のドローンが1億ドル(約153億円)相当のロシアのBuk-M3防空システムを破壊した」と書き込んだ。この書き込みに添付されたおよそ20秒ほどの動画には、ドローンに積んだカメラが捉えた当時の状況が収められている。Buk-M3と推定される兵器の上にドローンから投下した爆弾が落ち、続いて爆発が起きた。

 ウクライナのドローン部隊は他の部隊と協力して、前線から60キロ離れた場所からロシアのBuk-M3防空システムの9A317Mランチャーを捕捉し、攻撃したといわれている。ランチャーは自由落下型の弾薬を積んだドローンによって破壊された。ウクライナのドローン部隊側は、通信アプリ「テレグラム」を通して「この事例は、現代技術の効果をあらためて証明している」とコメントした。

 弾薬を搭載したドローンの一般的な作動範囲は20キロ、衛星通信アンテナが付いた改造型ドローンの場合は40キロ程度といわれている。ウクライナのある軍事専門メディアは「60キロ離れた標的を成功裏に攻撃したのは、ドローン兵器においては記録的なことだと言える」と評した。

 Buk-M3は2016年に導入されたロシアの最新中距離地対空ミサイル・システムで、以前のモデルより性能が向上したミサイルレーダーを装備する装輪型ランチャー(9A317M TELAR)は、6基のミサイルを搭載できる。空中標的・精密誘導兵器・戦術弾道ミサイルなど最大70キロの距離、最大高度3万5000メートルまでの標的を迎撃できる。ウクライナの各メディアは、このシステムの価値を4000万から5000万ドルと推定した。

 ウクライナ軍は、先月にもこのシステムの一つを破壊している。ウクライナ軍などによると、第413無人航空システム(Unmanned Aircraft Systems/UAS)大隊はロシア南部クルスク地域で多連装ロケット砲「ハイマース(HIMARS)」でBuk-M3を精密攻撃した。

イ・ヘジン記者

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