【ソウル聯合ニュース】韓国政府が医師不足などの対策として打ち出した大学医学部の定員増方針に反発した研修医らが職場を離脱し医療現場に混乱が生じている問題などを話し合う与野党、政府、医療界による協議体に大韓医学会と医大協会(KAMC)が参加を表明した。開業医が中心の大韓医師協会(医協)は不参加の立場を明らかにした。

 大韓医学会と医大協会は22日に出した声明で、与野党と政府、医療界による協議体に参加し、専門家団体として責任を全うすると表明した。

 両団体は声明で、これまで進められてきた政府の一方的な政策に明確に反対し、正しい医療を行うという若い医師たちの思いを全面的に支持することを明確にするとしたうえで、協議に参加する理由について「国民と患者の健康を最優先に考えれば、間違った政策決定による韓国の医療崩壊をこれ以上見過ごすことはできない」と説明した。

 両団体は協議体で扱う懸案を提示した。両団体は「医学生が提出した休学届が協議体発足に先立ち、大学の自律的意思により認められなければならない」とし、「2025学年度と26学年度の医学部入学定員の議論とともに、医師定員の推計機構の立法化のための具体的な計画とロードマップも設定すべきだ」と強調した。

 また大統領直属の「医療改革特別委員会」について、医療界の意見が反映されていない政策を発表しているとし、同特別委は医療界が認めることができる透明かつ合理的な政策決定の場として運営されなければならないと指摘した。

 大韓医学会のイ・ジヌ会長は聯合ニュースの取材に対し、「私たちが研修医や医学生を代弁するわけではない」としながらも、医学部定員増の方針が発表されてから時間がたち、道理なく推進される政策が固定化する前に協議することが必要だと判断したと説明した。

 協議体を発足させ、他の医療団体の参加が拡大するよう先導的に参加したとも話した。

 大韓医学会と医大協会が協議体への参加を決めたことで、ほかの団体は状況を注視している。

 全国医科大学教授協議会は、大韓医学会と医大協会の協議体への参加について、まだ把握できていないとしながらも、両団体の決定に従う可能性を示唆した。

 医協はこの日出した声明で、「現時点で協議体に参加しないという点を明確にする」としながらも、大韓医学会と医大協会の決定を尊重するとし、医療界全体の意見がしっかりと伝わるよう注意深く行動して欲しいと呼び掛けた。

 また総合病院のシステム改編を政府が一方的に進める状況を座視できないとする大韓医学会と医大協会の立場に医協も同意するとした。

 そのうえで「医協は協議体に参加しないが、大韓医学会および関連機関との意思疎通を通じて内部議論を継続する」とし「大韓医学会が協議体への参加を決めただけに、研修医と医学生の要求が反映され、医療界全体の意見を考慮した協議が行われることを期待する」とし、両団体を後押しした。

 与党「国民の力」の韓東勲(ハン・ドンフン)代表や大統領室の高官は両団体の協議体への参加を歓迎した。

 また保健福祉部は「大韓医学会と医大協会の協議体参加決定を歓迎する。協議体参加が研修環境改善など医療改革の課題を議論し、医療システムが正常化する機会になることを願う」とし、他の医療関連団体の協議体への参加を呼び掛けた。

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