▲釜山市金井区の旧ロッテマート交差点で尹一鉉(ユン・イルヒョン)金井区庁長候補の応援演説を行う韓国与党・国民の力の韓東勲(ハン・ドンフン)代表。15日撮影。/news1

 10月16日に投開票が行われた釜山市金井区庁長の再補欠選挙で与党・国民の力候補が野党・共に民主党候補に22ポイント差をつけて当選した。ところが投票前の11日、野党・共に民主党を露骨に支持する金於俊(キム・オジュン)氏が設立した世論調査会社は「共に民主党候補が3ポイント差でリードしている」と発表していた。調査時期と投票日までの双方の悪材料を比較すると、「政治ブローカー」とされる明太均(ミョン・テギュン)氏や金建希(キム・ゴンヒ)夫人問題などで国民の力の方がむしろ不利と考えられていた。そのためこれほどの誤差であれば調査ではなく世論を捏造(ねつぞう)し操作したと言っても過言ではない。

 明太均氏を巡る問題でも世論調査関連の疑惑が浮上している。国民の力の大統領候補予備選挙の際、明太均氏が「尹錫悦(ユン・ソンニョル)候補の支持率をもっと上げるべきだ」と指示した録音記録が公開された。非公開の調査だが悪用される恐れがあった。明太均氏が世論調査費用を国民の力で政治家を目指す人物から受け取ろうとした形跡も見受けられた。

 世論調査会社による捏造問題はここ最近の話ではない。文在寅(ムン・ジェイン)前政権当時、ある調査会社は曺国(チョ・グク)長官任命反対が12ポイントも高いと発表し、それから5日後にはその差が5.4ポイントまで縮まったと発表した。別の調査会社は「共に民主党と自由韓国党の支持率の差はほぼない」と発表した直後、共に民主党の代表が「10-15ポイント差が出るのが普通だ」と発言すると、わずか1週間後にその言葉通りの結果を出すケースもあった。2年前には登録されていない世論調査会社が尹大統領就任から半年後に弾劾関連の世論調査を行い、「弾劾に共感」との回答が53%だったと発表した。これを受け左派メディアは一斉にこの結果を伝えた。この会社の社長はかつて盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権で行政官を務めた人物だった。ずさんな世論調査は国民世論をねじ曲げる深刻な問題だ。

 17日には「不正な世論調査を行った会社には永久に調査をさせない」とする選挙法改正案が国会に提出された。従来の選挙世論調査に関連する犯罪はもちろん、公職選挙法や政治資金法に違反しても選挙関連の世論調査をできなくなるとする内容だ。明太均氏は2018年に選挙法違反で罰金刑が宣告されたが、その後も世論調査は続けていた。共に民主党もこの法案に反対する理由はないはずだ。

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