▲写真=UTOIMAGE

 靖国神社で毎年、例大祭が行われるたびに、日本の現職首相が「供物」を奉納し、韓国などの反発を買う。ところで、「供物」というのは具体的には何のことなのだろうか。

 供物と言えば、米などの食べ物だと考える人が少なくない。しかし、日本の首相が慣例的に奉納する供物は「真榊(まさかき)」と呼ばれる木のことだ。「榊(さかき)」という木の名前に、完全・真実・正確・純粋などの意味を持つ接頭語「真(ま)」を付けた単語だ。漢字「榊」は「木(きへん)」に「神」を付けたもので、真の神聖な木を意味する。石破茂首相は17日にこの木の鉢植えを奉納したが、枝状のもの(玉串)を使う場合も多い。

 この木は日本固有の宗教である神道で神をまつったり、祭祀(さいし)を行ったりする時に使われる。1年中濃い緑色を保つ広葉高木で、韓国では暖かい南海岸や済州島で育つ。韓国での名前は「ピチュギナム」だ。

 榊は天照大神という日本の女神にまつわる神話に登場する。万物を照らす太陽神であり、巫女(みこ)でもある天照大神が洞窟に入ってしまうと、天地が闇に包まれた。このため、他の神々が女神を外に出すための方策を練った。神聖な木である榊に鏡などの貴重な飾りを付けて、踊りが披露されると、神々は歓声を上げて笑った。すると、これが気になった天照大神が洞窟から出てきたという話が伝えられている。

 日本の神社で祭祀を行う時は、真榊の右側に鏡と勾玉(まがたま)を、左側に剣を掛けたものを立てることもある。真榊に緑・黄・赤・白・青の布を掛けることもあるが、これは陰陽五行説の木・火・土・金・水を意味するとのことだ。

成好哲(ソン・ホチョル)東京支局長

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