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寝ていた赤ちゃん5人が窒息死…米フィッシャープライス社の乳幼児用ベッド200万点リコール
米国のベビー用品メーカー「フィッシャープライス」の赤ちゃん用バウンサー「スヌーガ・スイング(Snuga Swings)」全モデルにリコール(不具合による製品回収・修理)がかけられた。同製品で寝ていた赤ちゃんが死亡する事故が発生するなど、窒息の危険性が提起されたためだ。
米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)などが15日(現地時間)に報道したところによると、米国消費者製品安全委員会(CPSC)はこのほど、スヌーガ・スイング200万点に対するリコールを決定し、回収手続きを進めているとのことだ。今回の措置は、スヌーガ・スイングで寝ていた乳児が死亡するなど、深刻な窒息の危険性が提起されたことによるものだ。
関連死亡事故は2012年から2022年までに計5件発生しているものと把握されている。いずれも生後1カ月から3カ月までの乳児が寝ている間に窒息死した事例だ。CPSCはリコール報告書で、「この製品は絶対に睡眠用として使用してはならない。起きている時も追加で寝具類を使ってはならない」と警告した。毛布などをかけて使用すると、ヘッドレストとシートパッドの支えが窒息のリスクを高める可能性があるとの指摘だ。
スヌーガ・スイングは上下に動く乳幼児用ベッドで、「バウンサー」という名前で呼ばれている。2010年以降、米国だけで210万点以上も売れている人気製品で、カナダやメキシコなどでも飛ぶように売れた。口コミにより韓国でも海外購入代行サイトなどを通じて販売されている。
ただし、「今回のリコール措置は十分でない」という指摘の声も一部から上がっている。製品のもともとの価格は160ドル(約2万4000円)だが、リコールの際、フィッシャープライス側が消費者に返す金額は25ドルに過ぎないからだ。
CPSCのリチャード・トラムカJr.委員は別途の声明文で、「このリコールは失敗する運命にある。多くの赤ちゃんを危険に陥れるだろう。金を節約するためのフィッシャープライスの危険なアプローチは子どもたちを引き続き危険にさらすことだろう。人間よりも利益を優先したおぞましい事例だ」と批判した。
ムン・ジヨン記者