【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は15日の閣議で、株式投資などで得た利益へ課税する「金融投資所得税」について、「廃止して市場の不安要因を取り除き、資本市場の発展に与野党が力を合わせることを期待している」と述べた。

 金融投資所得税は株式投資で5000万ウォン(約550万円)、債券や投資信託などその他金融投資で250万ウォンを超える所得を得た投資家を対象に、これら所得に20%(所得が3億ウォンを超える部分には25%)を課税するもの。文在寅(ムン・ジェイン)前政権時代に関連法案が可決され、2023年に施行される予定だったが22年に尹政権が導入を25年まで猶予すると発表。尹大統領は今年1月、金融投資所得税の廃止を推進する方針を明らかにした。

 尹大統領は閣議で、「企業は価値を高め、投資した国民はより大きい収益と資産形成の機会を享受する好循環を必ずつくる」と強調した。

 一方、韓国国債のFTSE世界国債インデックス(WGBI)への組み入れが決まったことに関しては、「韓国の資本市場に幅と深みを与える道が開いた」とし、「約75兆ウォンの投資資金が流入すると見込まれる」と述べた。そのうえで、「安定的な世界の国債需要を基盤に金利が安定するとともに、政府と企業の資金調達費用が減り、外国為替の流動性供給も円滑になりウォンの価値が安定化する」と期待を示した。

 また、株式市場の空売り制度の改善について、「違法な空売りや不公正な取引に対する処罰と制裁を大幅に強化する」と述べた。

 企業の自発的な企業価値向上や株主還元策により「コリアディスカウント(韓国株の低評価)」の解消を目指す政策「企業バリューアップ」に関しては、「配当を増やし、自社株を消却するなど株主に配慮する企業に対してはさまざまなインセンティブを提供する」との考えを示した。

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