文在寅(ムン・ジェイン)前大統領の娘ダヘ氏(41)の飲酒運転事故を調べている警察は、ダヘ氏に対して道路交通法上の単純飲酒運転罪だけでなく、特定犯罪加重処罰法上の危険運転致死傷も適用する案を検討していることが9日、分かった。危険運転致死傷とは、飲酒または薬物服用後、自動車などを運転して被害者を傷害(最高懲役15年)または死亡(最高無期懲役)に至らせた場合に適用される。

 ソウル・竜山警察署は9日、「ダヘ氏に対して危険運転致死傷の適用を検討している」と発表した。ダヘ氏は5日未明、ソウル・梨泰院で泥酔状態(血中アルコール濃度0.149%)のまま運転中にタクシーにぶつかり、タクシー運転手が負傷した。警察がダヘ氏に聴取した結果、正常な運転が困難な状態で事故を起こしたと判断されれば、危険運転致死傷も適用可能だとみている。

 ダヘ氏は事故当日、飲食店3軒で7時間にわたり飲酒していた。その後、千鳥足で歩いて車に乗り、運転をして、数回通行人をひきそうになったほか、他人の車のドアを開けようと数回試みたり、飲食店から追い出されたりする姿も捉えられている。「正常運転が困難な状態」が相当時間続いていたため、危険運転致死傷の適用も可能だということだ。ダヘ氏は事故当日未明、梨泰院交番で76分間にわたり聴取を受けた後、代行運転手を呼んで午前4時38分ごろ帰宅したことも分かった。

 もし、危険運転致死傷が適用されれば、ダヘ氏に重刑が下される可能性もある。昨年11月から今年9月にかけて、全国の裁判所で危険運転致死傷により処罰を受けた最近の事例100件のうち、懲役刑は91件(実刑8件・執行猶予83件)で、罰金刑は9件だった。

 昨年6月、忠清南道保寧市のある交差点で、ドライバーが酒に酔って、歩行がまともにできない状態(血中アルコール濃度0.147%)のまま車に乗って時速30キロメートルで運転し、バイクに衝突するという事故が発生した。被害者は全治2週間のケガを負った。検察はこのドライバーを危険運転致死傷で起訴し、裁判所は懲役1年6カ月、執行猶予2年を言い渡した。

ソ・ボボム記者、パク・ガンヒョン記者

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