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フィリピンと「両国関係の新たな扉開いた」 原発稼働で協力=尹大統領
【マニラ聯合ニュース】フィリピンを国賓訪問している韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は7日(現地時間)、マルコス大統領との首脳会談後に行った共同記者会見で「今回の訪問で両国関係が無限の発展可能性を持っていることを確認できた」として、「『戦略的パートナー関係』を結び、韓・フィリピン関係の新たな扉を開いた」と述べた。
共同記者会見に先立ち、両首脳は韓国水力原子力とフィリピンのエネルギー省がバターン原発の稼働妥当性調査で協力する内容の了解覚書(MOU)締結式に出席した。
バターン原発は1986年の完工直前に発生したチェルノブイリ原発事故の影響で工事が中断したが、2022年に就任したマルコス大統領は慢性的な電力不足解消のために同原発の稼働を推進する方針を示し、韓国政府に支援を要請した。
尹大統領は会見で、二酸化炭素(CO2)を出さないエネルギー源としての原発の重要性に注目し、今回のMOU締結を機に両国間の原発協力基盤を強化すると伝えた。
また、両国間の経済協力を活性化させ、国民に恩恵が行き渡る実質的協力を推進するとして、昨年9月に署名した自由貿易協定(FTA)を早期に発効させ、両国の貿易と投資を促進すると述べた。
続けて、フィリピン政府の大型インフラ事業であるラグナ湖循環道路の建設とパナイ、ギマラス、ネグロスの三つの島を結ぶ橋梁建設事業についてMOUを結び、韓国の対外経済協力基金(EDCF)を活用して推進すると説明した。
北朝鮮核問題や南シナ海問題などの地域・国際問題についても共通認識を形成した。
尹大統領は「マルコス大統領と私は北の核開発と無謀な挑発、不法なロ朝軍事協力を国際社会が絶対に容認しないことを再確認し、今後も北の非核化と国連安全保障理事会決議の忠実な履行のために協力を続ける」と強調した。
また、尹大統領が8月に発表した南北統一構想「統一ドクトリン」に対してマルコス大統領が支持を表明し、自由・平和・繁栄の統一朝鮮半島が世界平和と繁栄に寄与するという見解で一致したと伝えた。
このほか、域内の主要海上交通路である南シナ海における海洋秩序の確立と、国際法に基づく航行と上空飛行の自由のために協力を続けると述べた。
尹大統領は、両国は安全保障分野で戦略的協力を強化すると表明。なかでも防衛産業協力を強化し、フィリピンの軍近代化事業に参加すると明らかにした。
また、この日締結した「海洋協力MOU」により、国家の枠を超えた海上犯罪への対応、情報交換、捜索救助など海洋安保協力を強化すると述べた。
尹大統領は「フィリピンは75年前に東南アジアで初めて韓国と外交関係を樹立した国であり、朝鮮戦争ではアジア最大規模の兵力を派遣して韓国の自由を守るため共に戦ったありがたい国」と強調。両国関係の発展は血で結んだ信義と連帯に基づくものだと説明した。