【マニラ聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は7日(現地時間)、フィリピンの首都マニラで同国のマルコス大統領と首脳会談を開き、両国関係を「戦略的パートナー関係」に格上げする内容を柱とする協力強化策に合意した。

 首脳会談に合わせ、フィリピンのバターン原発の稼働に向けて妥当性調査を行う内容のMOUが締結され、両国間の原発協力が本格化する見通しだ。尹大統領は会談で韓国はアラブ首長国連邦(UAE)に続き、チェコの新規原発建設でも優先交渉権を獲得したとして、フィリピンにとって最適の原発パートナーになれると強調。マルコス大統領も韓国との積極的な協力を希望すると述べた。

 両国は国防・防衛産業・海洋など安全保障分野で協力を強化する方針だ。フィリピンが実施する海上訓練への韓国軍の参加など国防協力を強化し、フィリピンが2023~28年にかけて推進する軍近代化事業への韓国の参加を拡大することを決めた。

 経済分野では、フィリピン政府のインフラプロジェクトなど大型インフラ事業への参入を推進する。韓国はラグナ湖循環道路の建設と中部のパナイ、ギマラス、ネグロスの三つの島を結ぶ橋梁事業に対外経済協力基金(EDCF)から約20億ドル(約2970億円)を供与する了解覚書(MOU)を締結した。

 両国が23年9月に署名した自由貿易協定(FTA)についても、早期発効を進めることで一致した。

 また、人的交流の活性化と自国民の安全強化で合意し、現在韓国で試験事業が行われているフィリピン人ハウスキーパーの雇用と両国間協力を引き続き拡大することを決めた。

 尹大統領とマルコス大統領は北朝鮮を含む域内の安保懸案についても意見交換し、北朝鮮の無謀な核開発と挑発、北朝鮮とロシアの軍事協力は容認できないとの共通認識を示した。

 両首脳は南シナ海でルールに基づく海洋秩序を確立し、航行と上空飛行の自由を保障するために協力することでも一致した。

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