【ソウル聯合ニュース】韓国と米国が2026年以降の在韓米軍の駐留経費負担を定める新たな「防衛費分担特別協定」(SMA)の締結に向けて行っていた交渉が、米大統領選を約1カ月後に控え、電撃的に妥結した。韓国外交部が4日、韓米がSMAの締結に向けた8回目会合で最終妥結したと発表した。

 11月の米大統領選でトランプ前大統領が再選すれば、韓国側により多くの負担を求め、交渉が難航するとの懸念が出ていたが、早期に合意に至ったことで不確定要素が減少した。

 2026年の駐留経費の韓国側負担額は2025年比で8.3%上がった1兆5192億ウォン(約1660億円)に決まった。30年までの毎年の引き上げ率は現行の国防費の増加率ではなく消費者物価指数(CPI)の上昇率が適用されることになった。

 今回のSMAは2026~30年の5年間適用される。26年の負担額は25年の負担額(1兆4028億ウォン)より8.3%増額された1兆5192億ウォンに決まった。

 外交部は「2026年の総額は最近5年間の年平均の防衛費分担金増加率に在韓米軍で働く韓国人労働者の増員のための費用、軍事建設分野で韓国国防部が使う建設管理費用の増額による上昇分などを総合的に反映した」と説明した。

 特に双方は年間増加率として、現行の国防費増加率(平均4.3%)の代わりに消費者物価指数の上昇率を使うことにした。政府系シンクタンクの韓国開発研究院(KDI)などの予測によると、今年と25年の消費者物価指数の伸び率は2%台となっている。

 また予想外の状況に備え、年間増加率が5%を超えないように上限も設定した。 

 これは、前回のSMA妥結当時、国防費の増加率を連動させたことで韓国側の負担が大きくなったという国会の指摘が反映されたもので、外交部は負担額の上昇率を相対的に減らし、急激な増加も防止したと説明した。

 CPIの上昇率が2%と仮定すれば、1兆5192億ウォンから毎年300億~320億ウォン程度上昇し、2030年には1兆6444億ウォンになる。 

 トランプ政権下で行われた19年の負担額を決める交渉では前年比8.2%増となったが、適用期間が1年で不安定要素が大きいと指摘された。

 前回行われた20年以降の負担額を決める交渉は難航し、19年末から期限が切れ空白期間が生じたが、トランプ政権からバイデン政権に移行したことで21年3月に妥結し、20年から25年まで有効期間6年の協定を締結。20年分は前年と同額とし、21年に韓国が負担する額は20年比13.9%増で合意した。以降の増加率は国防費増加率が適用され、毎年3.4~5.4%増えた。

 双方はまた、修理や整備のための費用は朝鮮半島に配備された資産だけに使うことを明示し、これまで一部実施されていた域外の資産整備支援を廃止した。 

 韓国の負担金は在韓米軍で勤務する韓国人労働者の人件費、米軍基地内の建設費用、軍需支援費などの名目で使われる。

 韓米は2026年以降の韓国側負担額を決める交渉を今年4月から月に1~2回程度の頻度で行ってきた。

 SMAを巡っては、使途の透明性をさらに強化するため、これまでのような総額を先に決める方式ではなく支出の内訳から算定する方式への転換を検討するべきとの指摘も一部で出ている。

 協定文は正式署名を経て、韓国国会の批准同意を得た後に発効される。

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