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23年の死亡数が減少 自殺率は2年ぶり上昇=韓国
【世宗聯合ニュース】韓国統計庁は4日、2023年の死亡原因に関する統計結果を発表した。新型コロナウイルスが流行を繰り返す「エンデミック」に移行し、コロナによる死者が減ったことで、全体の死亡数は前年より減少した。ただ自殺率が2年ぶりに上昇し、10代の死亡数は前年を上回った。
◇死亡数4年ぶり減少 新型コロナの死亡数は76%減
昨年の死亡数は35万2511人で、前年より5.5%(2万428人)減少した。死亡数が前年より減ったのは1.2%減少した2019年以来。
死亡数は高齢化の影響で増加傾向にある。22年には新型コロナ感染拡大により前年比17.4%増した37万3000人となり、1983年の統計開始以来、最多を記録した。
昨年は新型コロナのエンデミック化により、死亡数が減少した。昨年、新型コロナが原因で死亡した人は7442人で、前年より2万3838人減った。22年は死因別で3番目に多かったが、23年は10位に下がった。
◇自殺率2年ぶりに上昇 OECD加盟国でワースト
自殺による死亡数は1万3978人で、前年より8.3%(1072人)増加した。
人口10万人当たりの自殺者数の割合を示す「自殺率」は27.3で、8.5%上昇した。自殺率が上がったのは21年(1.2%)以来2年ぶり。
統計庁の担当者は自殺者数の増加について、長く続いたコロナ禍による経済的負担や、コロナ禍後の環境変化による喪失感が影響したとの見方を示した。
死亡数は前年より減ったものの、自殺率の上昇で10代の死亡者数が803人となり、前年より0.9%増えた。年代別で死亡数が増えたのは10代だけだった。
10代、20代、30代の死因で最も多かったのはいずれも自殺だった。
自殺率を男女別に分けると、男性が38.3、女性が16.5だった。
経済協力開発機構(OECD)加盟国間の年齢構成の違いを除いた自殺率では、韓国は24.8で最も高かった。OECDの平均は10.7だった。
◇死因の1位はがん 前立腺がん・子宮がん・白血病増加
昨年の死因の1位はがん(悪性新生物)だった。がんは1983年の統計開始以来、死因1位を占めている。
人口10万人当たりのがんによる死亡率は166.7で、前年より2.5%増加した。
がんの種類別では肺がん(36.5)、肝臓がん(19.8)、大腸がん(18.3)、膵臓がん(15.0)、胃がん(14.1)の順で多かった。
前年比では前立腺がん(9.1%増)、子宮がん(8.4%増)、白血病(6.5%増)などの死亡率が上昇した。
がんは10歳未満と40代以上で死因の1位だった。
人口10万人当たりの死亡率ではがんに次いで心臓疾患(64.8)、肺炎(57.5)、脳血管疾患(47.3)、自殺(27.3)の順に多かった。