▲ソウル汝矣島の国会法制司法委員会で2日午前、朴庠勇(パク・サンヨン)水原地検副部長検事に対する弾劾訴追調査に向けた聴聞会が行われた。写真は鄭清来(チョン・チョンレ)国会法制司法委員長に宣誓文を提出した直後、鄭委員長と握手する李華泳(イ・ファヨン)元京畿道平和副知事(左)。/ニュース1

 李華泳(イ・ファヨン)元京畿道平和副知事が国会法制司法委員会で開催された「対北送金事件担当検事弾劾聴聞会」に証人として出席した。担当検事とは対北送金事件を捜査した朴庠勇(パク・サンヨン)水原地検副部長検事のこと。聴聞会で李華泳氏は「検察は虚偽の証言を求め、懐柔と圧力を繰り返し行使した」「検察はカルビ湯、ジャージャー麺、サーモンなどで懐柔し、『陳述セミナー』を繰り返した」などと一方的に主張した。李華泳氏は下着メーカー大手「サンバンウル」による北朝鮮への不法送金事件で今も裁判が進行中だ。

 李華泳氏はこれまでこの問題について何度も証言内容を変えており、一審の裁判長も「証言に信ぴょう性がない」との理由で懲役9年6カ月を宣告した。しかし野党・共に民主党は事実関係を確認せず、李華泳氏が自らの勝手な主張を語る機会を与え、全国民の前でライブ中継まで行った。「国会法制司法委員会は李華泳氏個人のローファーム(法律事務所)になった」との批判は避けられないだろう。

 身柄が拘束された状態で裁判が進行中の被告人を国会聴聞会に呼ぶことからして異例だ。しかも国会で自らの容疑について一方的に弁解する機会を与えたことは法の原則にも反する。犯罪行為については法廷で判断が下されるものだ。ところが今国会が司法の役割を事実上代理している。三権分立に反するのはもちろん、国会が裁判所の上位機関のように事実上振る舞っているのだ。

 李華泳氏は「検事が酒席で懐柔した」と主張したかと思えば、それに反する証拠が提示されると酒席の日時や場所だけでなく、酒席の存在そのものについても主張を変えた。李華泳氏は「私の責任を小さくするため(李在明〈イ・ジェミョン〉共に民主党代表に訪朝を報告したと)虚偽の陳述を行ったが、李在明代表が拘束される恐れがあると思い証言を変えた」と弁明した。「有利か不利かによっていつも証言を変えた」と自ら認めたようなものだ。サンバンウルのキム・ソンテ元会長ら別の関係者は全員が李華泳氏とは異なる陳述を行っている。

 このような李華泳氏のつじつまが全く合わない陳述を誘導しているのは共に民主党と李在明代表の側近たちだった。李華泳氏の妻は法廷で夫に「しっかりしろ」と怒鳴りつけ、弁護人を一方的に交代させた。李華泳氏が刑務所で書いた手紙や面会時の録音を公開し、監視弁護士を通じて李華泳氏の裁判資料を流出させた疑惑も浮上している。裁判長を批判し、裁判官の忌避申請を行って裁判も遅延させている。検察を捜査する特別検事法を提出するなど、理解しがたい面倒な事態も幾つも招いている。これら全てが李在明代表の不正を隠すためと疑われている。しかも今や国会法制司法委員会まで犯罪被告人のためのローファームに転落させようとしている。

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