▲9月24日午前、ソウル市中区の駐韓ドイツ大使館前で、「ベルリン平和の少女像」撤去反対記者会見をする、市民団体「金福童(キム・ボクトン)の希望」の尹美香(ユン・ミヒャン)共同代表と文化芸術家たち。写真=聯合ニュース

 従軍慰安婦被害者である故・金福童(キム・ボクトン)さんの弔慰金を違法に募金・流用したとして有罪判決を受けた尹美香(ユン・ミヒャン)元国会議員がこのほど、ある私立大学の校内に「『金福童平和センター』を建てる」として、「建設支援」を名目に募金活動をしていることが分かった。尹美香元議員は2020年の第21代国会議員総選挙時に比例代表で当選したが、21年6月に行われた国民権益委員会による議員不動産全数調査の結果、「不動産名義信託」疑惑が浮上し、共に民主党を離党した。昨年9月の二審で議員職喪失刑を言い渡されたものの、上告審の大法院(最高裁判所に相当)判決が長引き、4年の議員任期を全うした。

 尹美香元議員は今年8月から「『在日朝鮮学校の児童・生徒たちを支援してほしい』という金福童さんの遺言を実践する」として、「金福童の希望」という団体の共同代表を務めている。同団体は来月4日、京畿道烏山市にある韓神大学に「金福童平和センター」を開館する予定だ。尹美香元議員が韓神大学の姜声永(カン・ソンヨン)総長らと話し合い、大学側がスペースを用意したという。尹美香元議員は同センター建設のための「金福童平和センター推進委員会」の委員長を務めている。個人が1万ウォン(約1100円)、団体が10万ウォン(約1100円)以上の会費を払えば「推進委員」になれるとのことだ。

 これと関連して、尹美香元議員は親野党系コミュニティーサイトに「同センター建設のためお金が必要だ」という趣旨の文章を数回投稿した。先月30日に「『金福童の希望』は財政状況が劣悪で、事務所の広さも約6坪(約20平方メートル)しかなく、活動家もやっと1人いる程度だ。こういう劣悪な状況で大きなことを始めた。(中略)それはまさに『金福童平和センター』を世界各地に作っていくことだ」と述べた。その上で「『金福童平和センター』建設を市民の支援で始めなければならない。従軍慰安婦(問題)解決運動の歴史に、もう一つのターニングポイントをつくるものだ」とも書いた。そして、投稿の最後には「支援してくださる方々は全員、推進委員として歴史に名を残し、寄付者の壁に刻もうと思う」として、支援口座と電話番号を掲載した。尹美香元議員は今月2日に投稿した文章では、9月30日と10月1日の2日間に48人が162万ウォン(約18万円)を送ってくれたと明らかにし「ご一緒できなかった方の中に、共に推進委員になってくださる方はFいらっしゃるでしょうか」と繰り返し支援を要請した。

 尹美香元議員は昨年2月の一審判決で業務上横領により有罪が認められ、罰金1500万ウォン(約160万円)を言い渡された。ところが、同年9月の二審判決では業務上横領の他に詐欺および補助金法・寄付金品法違反などについても有罪が認められ、懲役1年6カ月・執行猶予3年に量刑が重くなった。二審では尹美香元議員の寄付金横領額が約8000万ウォン(約880万円)に達すると判断した。特に尹美香元議員が金福童さんの弔慰金約1億3000万ウォン(約1400万円)について自身の個人口座を使って違法に金を集めたとされる件についても有罪と認定した。二審は「被告が個人名義で募金した金額のほとんどは市民団体支援や、団体活動家の子に対する奨学金授与など、(慰安婦被害者)遺族を慰め、葬儀を支援することとは関係のない事業に使われた」と述べた。尹美香元議員はこの判決を不服として上告した。大法院の判決はまだ言い渡されていない。

李世永(イ・セヨン)記者

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