▲京畿道坡州市の統一大橋。写真=news 1

 「北朝鮮に帰りたい」という理由でバスを盗み、京畿道坡州市の統一大橋を渡ろうとした脱北者の30代の男が警察に逮捕された。京畿道坡州警察署が1日に発表した。

 坡州署によると、この男は同日午前1時ごろ、坡州市文山邑のバス車庫でバスを盗んだという。当時、バスのドアは開いており、運転席に車のキーが置かれていたとのことだ。

 男が向かったのは、臨津江に架かっている統一大橋だった。この橋は南と北を結ぶ唯一の陸路だ。橋の向こうは民間人の出入りが規制されている区域で、事前に許可を受けなければ入ることができない。

 男が運転していたバスが統一大橋の南端にある検問所に近づくと、ここに詰めていた韓国軍の哨兵たちが立ちはだかった。しかし、男はバリケードを破ってそのまま北に走った。バスは橋の北端のバリケードにぶつかってようやく止まった。男は午前1時30分ごろ、出動してきた警察官に逮捕された。この過程で負傷者は出なかった。

 同署の取り調べの結果、男は約10年前に脱北し、ソウル市冠岳区新林洞に一人で暮らしていたことが分かった。職に就かずにあちこちを転々としていたという。家族は北朝鮮に住んでいるとのことだ。犯行の動機を尋ねられると、男は「韓国での生活が苦しくて、北朝鮮に帰りたかった」「家族にも会いたくて、偶発的にバスを盗んだ」と答えたという。男は犯行時、酒を飲んだり麻薬を使用したりした状態ではなかったことが確認された。

 警察関係者は「車両窃盗の現行犯で逮捕し、現在は具体的な犯行動機などを取り調べている」と述べた。また、国家保安法違反容疑を適用できるかどうかも検討しているとのことだ。

坡州=キム・スオン記者

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