【ソウル聯合ニュース】韓国軍は1日、ソウル南方、京畿道・城南のソウル空港(軍用空港)で開かれた「国軍の日」記念式典で、新型弾道ミサイル「玄武5」を初公開した。玄武5は強力な破壊力で「怪物ミサイル」と呼ばれる。

 同ミサイルは、片側9輪の移動式発射台(TEL)の上に円筒形の発射管(キャニスター)が搭載されている。運転席は前方を向いたまま、タイヤだけを回して対角線方向に移動する側面機動能力も披露された。

 軍関係者によると、玄武5は北朝鮮全域を対象とした超精密・超高威力打撃が可能だ。

 「玄武」は韓国軍が独自に開発したミサイルの名称。玄武1は退役した。玄武2シリーズは短距離弾道ミサイル、玄武3シリーズは巡航ミサイルだ。玄武4シリーズは玄武2を改良した弾道ミサイルで、玄武4―1は地対地弾道ミサイル、玄武4―2は艦対地弾道ミサイル、玄武4―4は潜水艦発射弾道ミサイルとなっている。

 玄武4と玄武5はいずれも高威力弾道ミサイルとして開発されたが、弾頭の重量に大きな違いがある。

 昨年の国軍の日式典で初公開された玄武4の弾頭重量は2トンだったが、玄武5は8トンに上り、世界最高レベルだ。

 国会国防委員会所属の与党議員によると、玄武5は短距離弾道ミサイルだが、弾頭重量を減らせば中距離弾道ミサイル(IRBM、射程3000~5500キロ)級以上の性能を発揮するとみられる。

 弾頭の重量と射程は反比例するため、弾道ミサイルの通常の弾頭重量である1トンを基準とすると、玄武5の射程は5000キロ以上になる可能性があるといえる。 

 円筒形の発射管に入った玄武5の全長は約20メートルと推定される。発射管を搭載した車両の車輪は片側9輪で、車両の安全性確保のため発射後に空中で点火する「コールドローンチ」方式が採用された。

 玄武5は北朝鮮指導部が潜伏する地下バンカーを破壊するミサイルで、「韓国型3軸体系」関連兵器の一つ。韓国型3軸体系は北朝鮮のミサイル発射の兆候を探知して先制攻撃するキルチェーン、発射されたミサイルを迎撃する韓国型ミサイル防衛体系(KAMD)、北朝鮮から攻撃された場合に指導部などに報復攻撃を行う大量反撃報復(KMPR)からなる。

 軍が玄武5を公開したのは、ごみをぶら下げた風船の散布や弾道ミサイルの発射など、北朝鮮の複合的な挑発に対し警告のメッセージを送るためとみられる。

 この日の式典では玄武5のほか、韓国軍が保有する3軸体系の中核戦力が公開された。

 昨年の式典で初めて一般に公開された長距離地対空誘導ミサイル(LSAM)は今年も登場した。LSAMは高度40キロ以上で敵の弾道ミサイルを迎撃することが可能で、KAMDの中核資産に挙げられる。

 キルチェーンの中心戦力の一つであるステルス戦闘機F35Aも式典中にソウル空港の上空を飛行した。

 「死の白鳥」の異名を持つ米戦略爆撃機B1Bも初めて式典に登場した。

 最大速度マッハ1.25(音速の1.25倍)、最長飛行距離1万2000キロのB1Bは、グアムの米軍基地から朝鮮半島までを2時間で飛行する。核兵器の運用はできないが、最大57トンの武装が可能で、B2(22トン)やB52(31トン)など他の米戦略爆撃機に比べ優れた武装力を誇る。

 今年6月に韓国に到着し、戦力化された海軍の対潜哨戒機P8Aポセイドンもソウル空港の上空で威容を誇った。

 民間航空機のボーイング737を哨戒機に改造したP8Aは、時速900キロ以上で飛行し、敵の潜水艦を見つけ出して攻撃できることから「潜水艦キラー」と呼ばれる。

 4足歩行が可能な対テロ作戦用の多足歩行ロボットも登場し、軽快なステップを披露した。

 時速4キロ以上で歩行し、高さ20センチの階段なども上ることができるこのロボットは、テロ発生時に兵士の代わりに現場に投入され、敵の脅威を確認するのに使われる。現在、軍は陸軍特殊戦司令部と前線の1個師団にロボットを試験配備して性能を検証している。

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