▲元韓国競泳代表選手の朴泰桓氏/インスラグラム

 元韓国競泳代表選手の朴泰桓(パク・テファン)さん(35)が3年前、ゴルフ競技中に打ったボールがスライス(右利きの場合、ボールが右に曲がって飛んでいくこと)して隣のホールで競技中のゴルファーに当たり、それによって負傷したとして相手側に提訴された裁判で、ソウル東部地裁が9月26日、朴さんには賠償責任がないとする原告敗訴の判決を下していたことが分かった。

 アマチュアゴルファーのスライスやフック(ボールが左に曲がること)はよくあることであり、それによる事故を防ぐための注意義務はゴルフ場管理業者とキャディーにあるという趣旨の判決だ。

 朴さんは2021年11月、江原道春川市のゴルフ場でドライバーでティーショットを打った際、打球が自分の意図とは異なる右方向へと大きく曲がり、隣のホールにいたAさんの左目の上に当たった。A氏は治療を受けたが、視力が落ち視野が狭くなる後遺症が残った。Aさんは朴さんを過失致傷罪で告訴したが、検察は「アマチュア競技でスライスが発生することは珍しいことではない」として、立件を見送った。Aさんは昨年4月、民事訴訟も起こしていた。

 ソウル東部地裁は「被告は打撃方向に他の人がいる可能性を全く認識できない状態でキャディーの指示に従ってボールを打った」とした上で、「アマチュアゴルファーによくあるスライス打球が生じた場合、ボールが別のホールへと越えないようにする注意義務はゴルフ場管理業者とキャディーにある」と指摘。ゴルフ場に網を設置するか、キャディーが互いに連絡して事故を防止すべきだったとの趣旨だ。

 一方、朴さんが事故直後に他人に責任を転嫁する不適切な対応を取っていたことが判決を通じて明らかになった。判決は「事故発生後、被告が自身の身分を隠し、ゴルフを一緒にしていたパートナーが事故を起こしたと主張したことは道徳的に非難されて当然だ」と非難した。ただ、それは「事故発生後の事情」だとし、賠償責任とは無関係だとした。

パン・グクリョル記者

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