▲イラスト=UTOIMAGE

 ウクライナのドローンが、降伏して助けを請うロシアの軍人に鎮痛剤と水の入った救護セットを投下し、命を助けて捕虜として確保する動画が公開された。英紙テレグラフが25日(現地時間)、報じた。

 報道によると、ウクライナ陸軍第54機械化旅団所属K2大隊は23日、YouTubeなどSNS(交流サイト)に、この様子を収めた動画を投稿した。公開された動画には、ウクライナのドローンが、攻撃後にロシアの塹壕の中を確認し、生存者を捜索する場面が収められている。ドローンは、塹壕内で負傷した状態で横たわっているロシアの軍人を発見するが、この軍人は非常に緊張した表情で、顔には流れた血が乾いた状態でこびりついている。軍人はドローンが近づくと祈るように両手を合わせ、降伏の意思表示をした。武器を持っていないことを証明するかのように両手を振って見せた。

 ほどなくしてドローンが軍人に向けて投下したのは、爆弾ではなく水のペットボトルと鎮痛剤の注射、メッセージが書かれたメモだった。水と注射器を確認した軍人は、ドローンに向かって十字を切って感謝の意を伝えると、ようやく安堵したようだった。軍人は水を飲むと自ら鎮痛剤を注射し、その後ドローンはこの軍人を、無人地帯を経てウクライナの塹壕に引き渡した。

 軍人はふらつきながら塹壕から出ると、そのまま地面にへたり込み、しばらくすると注意深く立ち上がって進み始めた。軍人は爆弾によってできたとみられる穴に寝そべると、たばこを吸いたいとジェスチャーで伝え、ポケットからたばこを1本取り出して火を付けた。軍人が移動する間、ドローンのカメラが軍人の周囲を照らしたが、依然として砲弾が落下して煙が出るなど戦闘が終わっていない様子が伝わってきた。この軍人は何とかウクライナの塹壕にたどり着き、ウクライナの軍人によって塹壕の指揮所に連れていかれた。

 この動画がいつどこで撮影されたのかは確認されていない。第54旅団はウクライナ東部ドンバス地域の最前線に配置されているという。軍当局は「K2大隊の軍人たちがドローンで捕虜を捕らえたのは今回が初めてではない。このロシア軍人は1週間、食べ物も水もない状態で塹壕に隠れていた」「この軍人は我々の歩兵たちがいる場所に到着し、捕虜となった。彼は自分がいかに運がいいか悟っただろう」と説明した。

イ・ヘジン記者

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