尹錫悦政権
共に民主「チェコ原発事業受注はダンピング」主張巡り尹大統領が「韓国企業・政府を支援どころか妨害」と強く批判
尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は24日「チェコ原発事業への参加をダンピングだとか、赤字受注などとする根拠のないデマが政界の一部で飛び交っている」「本当に慨嘆せざるを得ない」と発言した。
尹大統領は同日ソウル竜山の韓国大統領府で国務会議(閣議に相当)を招集し「政府は企業の受注や事業への参加を国の次元で支援するだけだ。どこの企業が損する事業をするのか」とした上で上記のように述べた。尹大統領はさらに「死活を懸けて飛び回る企業やその協力会社、これを支援する政府を後押しもせず、逆に妨害し邪魔していいのか」「国民のため、国の未来のために正しい道が何かを真摯(しんし)に省察する必要がある」とも訴えた。
韓国水力原子力は今年7月にチェコのドコバニ原発の新規建設事業優先交渉対象に選定されたが、これについて野党は「ダンピング受注疑惑」を指摘している。そのためチェコ公式訪問から帰国した尹大統領が野党の主張に反論したようだ。今回も野党・共に民主党の陳聖俊(チン・ソンジュン)政策委員会議長は党内の会議で「原発受注を条件に政府が低価格のダンピング契約を結んだ疑惑が浮上しており、韓国が得られる実際の利益はほとんどない見通しもある」「他にやることがなくてチェコと原発同盟を締結するのか」と批判した。
かつて文在寅(ムン・ジェイン)前政権で「9・19平壌共同宣言」を中心となって進めたイム・ジョンソク元青瓦台(韓国大統領府)秘書室長は先日「統一をやめよう」として「南北2国家論」を主張した。これに対しても尹大統領は「大韓民国憲法が命じた自由民主主義の平和統一運動にまい進し、統一が人生の目標のように語っていた者たちが、北朝鮮で2国家論が出るとたちまち主張を急旋回した。全くもって理解できない」「自分たちの統一の主張に同意しなければ反統一・反民族勢力と糾弾していたのに、それが一晩で考えを180度変えた。誰がその主張に納得できるか」と指摘した。その上で尹大統領は「彼らは『統一部(省に相当)もなくそう』『大韓民国憲法上の領土条項と平和統一推進条項も削除し憲法を改正しよう』とまで主張している」「北朝鮮は核攻撃も辞さないとして『敵対的2国家論』を主張しているが、この状況で『平和的2国家論』が果たして可能とでも言いたいのか」と反論した。
尹大統領は「政府は常に平和的な自由統一を訴えてきたし、今後も平和的な自由統一を推進する。これは決して武力による統一ではない」「全ての個人の自由と人権が尊重され、未来の世代に夢と希望を抱かせる統一大韓民国の準備を進めていく」と述べた。
キム・ギョンピル記者