▲ソウル市中区乙支路のハナ銀行本店偽変造対応センターで行員が米ドル現金を整理している/聯合ニュース

 韓国が史上初めて最大の対米投資国になった。2023年に韓国企業による米国内のプロジェクトへの投資規模は契約ベースで215億ドル(約3兆900億円)を記録した。米中の対立が深まり、米国が中国をサプライチェーンから排除しようとする動きが続くと、「中国に投資していては輸出の道が閉ざされかねない」と懸念した韓国企業が対米投資を大幅に増やした格好だ。米国にとっても未来産業を支える半導体・電気自動車(EV)など重要産業で高い競争力を持つ韓国企業との積極的な協力が避けられなかったという分析もある。

 英フィナンシャルタイムズは18日、国連貿易開発会議(UNCTAD)の資料を分析した結果として、2022年にトップだった台湾の対米投資が急減し、昨年は韓国がトップに浮上したと指摘した。台湾積体電路製造(TSMC)のような台湾の半導体メーカーが昨年から日本や東南アジアへと投資先を多角化した影響とみられている。

 これまで韓国の対米投資は増加を続けてきたが、2010年代には10位前後にとどまっていた。しかし、バイデン政権が「米国の製造業を救う」と言い、2022年から「CHIPS法」「インフレ抑制法」まで導入し、半導体・EVなどへの補助金と税制優遇策を拡充すると、韓国企業は対米投資を攻撃的に増やした。

 現代自動車は昨年5月、LGエナジーソリューションと共同で5兆7000億ウォン(約6160億円)を投資し、米ジョージア州にEV向け電池工場を建設すると発表した。サムスンSDIも昨年3月、GMと5兆ウォン規模の電池工場建設を決めるなど、電池業界3社の対米投資規模だけで数十兆ウォンに上る。2019年の韓国の対外投資の占める米国の割合は18%にすぎなかったが、昨年は50%以上に急増した。一方で対中投資規模は全体の11%から1%未満へと大幅に減少した。

チョ・ジェヒョン記者

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