▲ソウルの伝統市場内の貸店舗スペースに貼り出されたテナント募集の掲示。8月27日撮影。/News 1

 韓国で、飲食店、美容室、眼鏡店といったサービス業や卸売業・小売業で従業員なしで働く「一人社長」が12カ月連続で減少していることが18日までに分かった。12カ月連続の減少は2019年初め以来のことだ。高金利・物価高や人件費上昇のあおりを受けて、一人で店を経営していた零細自営業者が最終的に廃業を選ぶケースが増えた影響だとの分析が示されている。

 韓国統計庁によると、「従業員を雇用していない自営業者」は先月時点で430万6000人で、1年前よりも6万4000人減った。昨年9月から12カ月連続で減少している。このような長期にわたる減少は、17年11月から19年1月まで15カ月連続で減少して以来のことだ。

 一般的に景気が良い時は「一人社長」が新たに従業員を雇うため、従業員を雇っていない自営業者の数は減る傾向にある。しかし、最近の減少はその原因が異なるという分析だ。従業員なしで一人で店を経営していた自営業者が景気低迷の長期化によって最終的に廃業を選んでいることが、このような減少傾向につながっているというわけだ。小商工人連合会のチャ・ナムス政策広報本部長は「創業する人よりも廃業する人の方が増えている中で、一人社長の数も減少し続けているようだ」とした上で「従業員を減らしても家賃や利息を払えず、最終的に店を畳まざるを得ない限界の状況に直面する自営業者が増え続けている」と話した。

 実際に、廃業する零細事業者に支給される共済金の規模は増え続けている。この日、韓国中小ベンチャー企業部(省に相当)が韓国野党「共に民主党」の許琮植(ホ・ジョンシク)議員に提出した資料によると、今年1-7月に廃業を理由に支給した「黄色い傘共済金」は8881億ウォン(950億円)で、前年同期(7901億ウォン)より12.4%増えた。「黄色い傘共済」とは、小企業経営者や零細事業者の生活安定と老後保障を図るための共済制度で、廃業などで仕事をやめた場合にはそれまでの掛け金に利子を加えた額が支給され、退職金的な性格を帯びている。共済金の支給額が増加しているのは、事業が立ち行かなくなって生活に苦しむ零細事業者が増えていることを意味する。

チョ・ジェヒョン記者

ホーム TOP