裁判
名誉毀損で8500万ウォン損害賠償請求した日系韓国人・保坂祐二教授、二審も一部勝訴 ソウル中央地裁
日系韓国人の保坂祐二・世宗大学教授(68)が、「慰安婦問題で名誉を毀損(きそん)し、侮辱した」として市民団体の代表などを相手取って起こしていた損害賠償請求訴訟で、二審においても一部勝訴した。
ソウル中央地裁民事控訴10-3部は18日、キム・ビョンホン慰安婦法廃止国民行動代表など3人に対し、慰謝料として保坂教授に400万ウォン(現在のレートで約43万円。以下同じ)を支払うよう命じる判決を下したことを明らかにした。
裁判部は「虚偽事実の適示と侮辱的な発言によって、学者として原告が持つ人格権が侵害され、精神的苦痛を賠償すべき義務がある」という一審判決をそのまま踏襲した。
先にキム代表などは2020年11月から21年8月にかけて、集会やSNSで保坂教授の著書『新親日派』を問題視し、保坂教授を非難していた。
キム代表らは「保坂教授は、慰安婦は強制動員されたと主張して韓日関係を仲たがいさせ、日本軍が慰安婦の対象から日本人女性を除外したと書いた」等の主張を繰り広げた。
昨年の一審は、保坂教授が根拠なく強制動員を主張してはおらず、日本人慰安婦の存在にも著書で言及している点などに基づき、被告人は一部虚偽事実を適示して侮辱的な発言を行ったと判断した。
ただし控訴審は、一審が認めた侮辱的発言のうち「狂ったような」等の発言については、荒っぽく無礼な表現という程度であって、法的に評価される侮辱とは認められないとして、慰謝料を一審より100万ウォン(約11万円)減らした。
なお、保坂教授が請求していた額は8500万ウォン(約914万円)だった。
チ・ジョンヨン記者