▲イラスト=UTOIMAGE

 ハリケーンで被害を受けて放置されていた米ルイジアナ州のある高層ビルが修理費約1億6700万ドル(現在のレートで約240億円)を負担できず、とうとう撤去された。AP通信などが8日(現地時間)に報道した。

 報道によると、7日にルイジアナ州レイクチャールズの22階建てビル「ハーツ・タワー」が爆破・解体されたとのことだ。撤去時、ビルの中からは連続的に爆発音が聞こえ、ビル全体が巨大な土ぼこりを上げて一気に崩れ落ちたという。

 高さ94メートルのハーツ・タワーは1983年に建てられ、2008年にハーツ・インベストメント・グループの手に渡った。40年間にわたり同地域のランドマークタワーとなっていたが、空室率の高さが問題になっていた。一時、このビルにキャピタル・ワン・バンクが入っていたため、「キャピタル・ワン・タワー」とも呼ばれていた。

 レイクチャールズのシンボルとなっていた同ビルは2020年、ハリケーン「ローラ」と「デルタ」により深刻な被害を受け、厄介者となった。ビル所有者のハーツ・グループは、ビルの修復費用について約1億6700万ドルかかると推算した。ハーツ・グループはその費用を負担できず、ビルは一部の窓が割れ、防水シートがかぶせられた状態で4年間も放置されていた。

 ビルを売却しようともしたが、買い手が現れないため、とうとう爆破・解体が決まった。爆破・解体にかかる費用は700万ドルに達するという。

 レイクチャールズのニック・ハンター市長は今回の撤去について、「スッキリしたが少し寂しい。市は複数の開発会社とこのビルを保存するため努力したが、難しい課題だということが判明した」と語った。

 ビルの敷地は依然としてハーツの所有だが、今後の土地利用計画は明らかになっていない。

チェ・ヘスン記者

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